「お前なんて妾の子でいらないんだよ!」

 私の実の母ではない方からの暴言を受ける日々、そして毎日わずかな具のない味噌汁だけが牢屋のである納屋に持ってこられます。
 そんなわずかな味噌汁でさえ、お母様に足で蹴られてこぼされて巻き散らかされてしまう。
 生きるためにはそんな泥水のような味噌汁でさえもすすって飲まなければ生きられない。
 私が床を這いつくばってすする様子をお母様は嘲笑って、そして醜いものを見る目で見つめました。

 そんな日々が続いていたある日に、納屋にある人が入ってきたのです。

「立てますか?」

 私が倒れるように寝ているとそっと声をかけてくれる優しい人。
 だめ……私はもうこのまま動けなくて死んでしまうんです。
 そう言いたいけどもう私は声が出ないほどに憔悴しきっていて、髪も着物も荒れ放題の中その人は頭を撫でて抱きかかえてくれました。

 なんて人のぬくもりは心地いいんでしょうか。
 天国にきてしまったのかと思い、もう目を閉じそうになります。