「禁句。」

「禁句?華子はなにか言ってはいけないことを言ってしまったようだの。

『汚らわしい』か?」

「さすが鬼のご当主様です。ご名答。

魔族に関して、言ってはいけない禁句がいくつかあるんです。

それは相手の魔族にもよります。

魔族の社会は完全な実力社会なので、

いちおうあたしは、haut(オート)の位を。

最高位reine(レーヌ)には、あたしのいとこ、相良 夢愛がついています。

男性の場合は、roi(ロワ)ですが。

hautは、reineに次ぐ位ですかね。

もちろん、何人もいます。

ランクの話はさておき、禁句の話です。

reine、roiに対しては、アホ、馬鹿などもアウトです。

hautにもだめです。

ましてや、『汚らわしい』なんて、禁句中の禁句です!

魔族から直接、手が下されることになります。

たぶん…火あぶり15年とかかな?魔族じゃないから緩めです。

あ、もちろん死なないようにするんですよ?

ご飯も出ますし?

火にくべられた鍋の上に部屋があって、そこで過ごすんです。

リアル灼熱地獄ってやつです。

でも、魔族の存在を知っている人自体少ないから、入ってる人は少ないですよ。

日本人は誰もいなかったと思います。

いつか担当の人が迎えにきますよ。

牢獄を出ればもう30すぎですか?

結婚なんて無理そうですね?」

これだけのことを一気に言ってのけた亜里香を見て、みんな思ったのだった。

(魔族、恐るべし。)

華子は、さすがに怖気ついてしまった。

「火にくべられる?わたくしが?15年も?どうなってしまうのでしょう?

このわたくs」

鬼太郎が遮った。

「まだ話は終わっておらぬ!

無礼にもほどがあるぞ!華子。

お前は、魔族の方が迎えに来るまで、

鬼澤の自分の部屋から一歩も出てはならん!」

華子は顔を真っ青にして、立ち上がった。

「は・・・い。わかりまし、たわ。

このわたくしが、ひ、火あぶり…」

そのまま亜里香は出て行った。

「さて、鬼澤家全体への処罰だ。

当主のお前には、鬼崎で役員をやってもらっていたが、

サボってばかりだそうだな。

それで期限に間に合わなければ、下の者のせいにするそうだな?

妻のお前も、私の息子の妻にさんざんなことをしてきたようだ。

押さえても抑えても止まらないと、

息子が嘆いておった。いいきっかけだ。

これを機に、お前たちには鬼崎で一番下の使用人として働いてもらう。

会社の方はクビだ。

ああ、それと、お前のところには金があるだろう。

その3分の2は取り上げる。

もちろん、誰の私財にもならない。

慈善団体に寄付する。」