「あら、そう。

そこまで言うのなら。」

華子は自分の霊力で、亜里香を縛った。

「あれ?最初に縛るの?

賢いっちゃ賢いけど、反撃されないとか面白くなくない?

そもそも、あたしにこんなの通用しないよ。」

亜里香は瞬間移動で見えない縄から抜け出し、

華子の背後に回った。

目の前にいたはずの亜里香がいなくなって驚いている華子に、

亜里香は火を放つ。

「後ろも見なくちゃ。

丸焼きになるよ?」

華子が後ろを振り向いた。

「どうして後ろに!ひゃっ!熱い!」

「お嬢様!大丈夫でございますか!?」

華子の首に火が移ったのを見て、初めて執事が動いた。

霊力で何とかしようとするが、あやかしでも、

龍などでなければ水は出せない。

そして、自分で出した火ではないから、ひっこめることはできないのだ。

「もー、このまま焼けたら面白くないじゃん。」

亜里香は、火を消し、別の呪いをかけた。

「や、やだ。勝手に足がうごいて、」

相手にタップダンスを踊らせた。

その次は、ゴロゴロ床を転がらせた。

もちろん、足は動かしたままで。

「ちょっと、あんたも動きなさい!」

華子は執事に命じるが、その前に、亜里香が凍らせてしまった。

華子が転がるのもやめさせる。だが、すぐに、縄で縛った。

「もう懲りた?」

「な、なによこれ…妖術じゃないわ…」

「私は魔女。やられたらやり返すから。

…あ、そうそう。」

亜里香は華子とその執事の額に手を当てた。

「魔族の存在は明かされていないの。

口外したら死ぬ呪いかけたから。

それから…これでもかなり手加減したんだからね?

懲りずにまた何かすれば、火あぶりにして、

体をバラバラにするかもよ?

あ、火あぶりするときは、手足縛って、上下逆さまの状態で火にくべようかな?」

「「ヒッ」」

恐怖におののいている二人を見て、亜里香は満足げな笑みを浮かべ、

部屋にかけたシールドを解除した。

その途端、雄輝と使用人たちが雪崩のように入ってきた。

「亜里香!大丈夫か!部屋のドアが開かなくてな。

今やっと開いた。」

「あ、ごめん。シールドかけてたから、

中からも外からも出入りできないようになってたの。」

「よくわからないが、そうか。それと、これは何だ?」

縄に縛られて(まだ足はタップダンスを踊っている)華子と、

見事に氷にされたその執事をごみを見るような目で見て、雄輝が尋ねた。

「鬼澤 華子とその執事。

雄輝がくず女を選んだとか言って、

実力行使であたしをここから追い出そうとしたから、

ちょーっと痛い目にあってもらったの。

あんた、足うるさい。」

亜里香は華子の足も縄で縛った。

だが、まだ足は動こうとするので、かなりしんどそうである。

「あと1時間くらいしたら魔法切れるから、安心しな。

縄はほどけないけど。

あ、あんた氷解けたらフリーじゃん」

亜里香は執事も縄で縛った。

雄輝は少し動揺しつつ、虎牙に言いつけた。

「当主のところへ連れて行って、判断を仰いで来い。」

「はっ。かしこまりました。」

虎牙に連行される二人を見て、雄輝と使用人たちは思った。

(亜里香(様)を怒らせないようにしなければ・・・)