目を覚ますと、そこには見たことのない世界が広がっていた。
どこがどうとかじゃない。これはもう直感で分かる。

「異世界転生してる。」

前の世界で、友人たちが最近こういうのが二次元界隈では流行っていると言っていた。
大体そのトリガーになるのは交通事故等の死に繋がる行為らしい。
なら、あいつはどうなっているのかな。せめて、あっちの世界で生きていて欲しいけど。
目の前では、頭に角をはやした部下と思わしき人物がランランと目を輝かせている。

「魔王様。次こそは、あの生意気な勇者たちを倒して世界を征服しましょうね!」

なるほど、俺の役割は魔王なのか。
そして、ふと【打倒!勇者!!】と書いてある文字の横にある似顔絵を見て絶句した。

「えっ、まさか…」