【プロット】幼馴染と一緒にこの世からおさらばしたら転生先であいつが勇者で俺が魔王でもう何が何やら

諸谷 理輝(もろや りき)
18歳 高校3年生 弓道部部長
コミュ力もあり基本的に対人関係において困りごとはない。
誰にでもフレンドリーに接するが、
綾星に対しては少し言葉が崩れたり感情的になりやすい。
魔王という役割を与えられた際にも戸惑いはするが、
すぐに受け入れる程精神的には自立している。
弓道部の部長だったため、転生先でも部下をまとめたり、
狙いを定めるときのアドバイスなどを教え人脈を得ていた。

松原 綾星(まつばら あやせ)
18歳 高校3年生 パソコン部
話しかけたら話すが、必要最低限の会話だけをするため、
クラスではいつも一定の人物とばかりつるんでいた。
いじめを受けているなどではないが、漠然と将来に対する不安を抱えてしまい、
精神的には不安定な所が多く感情的になりやすい。
根は優しいので、人の話を聞いていると段々と感情移入してしまい、
転生先でも戦いたくない気持ちとは裏腹に真剣に話を聞くその姿勢が勇者として評価されていく。
弱々しい印象を与えがちだが、
自分が間違えていないと思ったことは曲げない芯の強さがあるため、
ここぞという時の決断力は早い。

幼馴染がいる。俺とは正反対の、優しくてかっこいい幼馴染だ。
だけど今日、そいつと一緒に屋上から飛び降りた。

ビュンビュンという風が耳をかすめる中、
窓越しにクラスメイトと目が合った。握った手がどんどんと冷えていく。

「あっ、俺たち死ぬんだ。」

俺のせいで、こいつが死んでしまう。
こいつを殺したのは、俺なんだ。

ねえ、神様。
俺のことは良いから、どうかせめてこいつの命だけは助けてください。

落ちていくとき気絶するなんて話を聞いたことがあったが、
そんなことは全くない。
この世界で見る最期の景色は、無機質な地面でも憎いほど良く晴れた青空でもなく、
俺のことをただじっと見つめる幼馴染の顔だった。
目を覚ますと、そこには見たことのない世界が広がっていた。
どこがどうとかじゃない。これはもう直感で分かる。

「異世界転生してる。」

前の世界で、友人たちが最近こういうのが二次元界隈では流行っていると言っていた。
大体そのトリガーになるのは交通事故等の死に繋がる行為らしい。
なら、あいつはどうなっているのかな。せめて、あっちの世界で生きていて欲しいけど。
目の前では、頭に角をはやした部下と思わしき人物がランランと目を輝かせている。

「魔王様。次こそは、あの生意気な勇者たちを倒して世界を征服しましょうね!」

なるほど、俺の役割は魔王なのか。
そして、ふと【打倒!勇者!!】と書いてある文字の横にある似顔絵を見て絶句した。

「えっ、まさか…」

目を覚ますと、そこには見慣れない景色が広がっていた。
ここはどこなんだろうか。
あの時、間違いなく俺はあいつと一緒に屋上から落ちたはずなのに、
いつの間にやら酒場の様な所に来ている。

漫画とかでよく見る異世界転生という言葉が頭をよぎるが、
そんなの夢物語に過ぎない。
そうだ。これは夢なんだ。
きっと死ぬ間際に見る都合の良い夢。
だとしたら、せめてこの一瞬でも楽しもう。
そう思い、飲んだこともないお酒を注文しようと手をあげかけると、
隣のおじさんに話しかけられた。

「あんちゃん、勇者なんだろ?頼むからこの街をこの魔王の手から救ってくれよ!」

RPGの様な展開にちょっとわくわくしながらその似顔絵を見る。
しかし、その顔を見て絶句した。

「えっ、これって…」

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