クリストファーが一歩踏み出したタイミングで、オーケストラの演奏が、ひどくゆっくりとしたテンポの曲に変わった。これならどうにかいけるかもしれない、とティーゼは思った。
※※※
腰に腕を回されて、互いの手を取りあった時にはひどく緊張したが、踊り始めると次第に身体の強張りも解けた。多分、クリストファーのリードが上手いせいだろう。簡単なステップだけで、ふわふわと揺れるドレスの感じも楽しくなって来た。
それでも、近くから見降ろされる気恥しさには慣れなかった。彼はティーゼをずっと見ていて、会話が途切れると、どこか熱のこもった眼差しで愛情深く微笑んで来るのだ。
知らず体温も上がって来て、ティーゼは、ぐるぐると考えて困ってしまった。
どうしてか分からないが、見慣れているはずのクリストファーの顔を直視出来ない。幼馴染のはずなのに、近くから見ていると、とても美しく凛々しい知らない男性にも見える。
そういえば、クリストファーは先に成人しているのだ。
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腰に腕を回されて、互いの手を取りあった時にはひどく緊張したが、踊り始めると次第に身体の強張りも解けた。多分、クリストファーのリードが上手いせいだろう。簡単なステップだけで、ふわふわと揺れるドレスの感じも楽しくなって来た。
それでも、近くから見降ろされる気恥しさには慣れなかった。彼はティーゼをずっと見ていて、会話が途切れると、どこか熱のこもった眼差しで愛情深く微笑んで来るのだ。
知らず体温も上がって来て、ティーゼは、ぐるぐると考えて困ってしまった。
どうしてか分からないが、見慣れているはずのクリストファーの顔を直視出来ない。幼馴染のはずなのに、近くから見ていると、とても美しく凛々しい知らない男性にも見える。
そういえば、クリストファーは先に成人しているのだ。