「いいですか、マーガリーさん。ルイさんは、私の目から見ても確かにモテにモテまくる人だと思います。舞踏会なんかに出たら、女の子に囲まれて、キャーキャー言われるような存在でしょう。あなたの事を好きだと言っているのに、その状況を許せますか?」

 結婚した仲間の妻は、それが嫌だと認めた時に恋愛感情に気付けたのだと、結婚式で恥ずかしげに語っていた。何度も断っていた花も、お菓子も、デートへのお誘いも、彼の周りにいる女性の存在で苛立っていたのが原因らしい。

 ティーゼが思い出しながら想像を促すと、マーガリー嬢は、素直に考える素振りを見せた。美麗な眉を控えに潜め、顎に手をあてて強い眼差しで足元を見据える。

「……それはそれで、なんだか面白くないような気がするわ」
「じゃあ――」
「そうよ、確かめてみればいいのよ!」
「は……?」
「手紙で、祝いで続いている舞踏会にどうですか、と書かれていたのよ。彼と向き合ってみて、自分の中の気持ちをハッキリさせてみる事にするわ」

 凛々しく言い放ち、立ち上がるマーガリー嬢の瞳に迷いはなかった。