国境沿いにある深い森に面した、ランベルの町に到着したのは、翌日の正午前だった。車掌は、祝日の間は一日に一本しかないので、帰りの予定を立てる際には気を付けるようにと、ティーゼに説明した。
ランベルの町は、ティーゼが想像していた田舎町とは違い、道も整然としていた。小振りな住居が多く、大きな飲食店が一軒、酒屋が二軒、騎士団の支部と宿泊棟が建っていた。
街には穏やかな気性の人が目立ち、祝いの騒がしさというよりも、祝日ののんびりとした時間が流れていた。
大通りをしばらく歩くと、深い森の前に佇む、大きな館が目に止まった。王都で見掛けるような広大な敷地を囲む塀に、頑丈そうな鉄の門扉、そこから覗く屋敷は、白亜の別荘館のように清潔感が漂っていた。
屋敷は静まり返っており、使用人の姿は一人もなかった。
ティーゼは、呼び鈴もついていない敷地の門の前で、しばらく悩んだ。屋敷の玄関扉まで行けばなんとかなりそうな気もしたが、断りもなく鉄の門扉を開け、長い石畳の上を踏み歩いて進んで良いものか判断がつかない。
ランベルの町は、ティーゼが想像していた田舎町とは違い、道も整然としていた。小振りな住居が多く、大きな飲食店が一軒、酒屋が二軒、騎士団の支部と宿泊棟が建っていた。
街には穏やかな気性の人が目立ち、祝いの騒がしさというよりも、祝日ののんびりとした時間が流れていた。
大通りをしばらく歩くと、深い森の前に佇む、大きな館が目に止まった。王都で見掛けるような広大な敷地を囲む塀に、頑丈そうな鉄の門扉、そこから覗く屋敷は、白亜の別荘館のように清潔感が漂っていた。
屋敷は静まり返っており、使用人の姿は一人もなかった。
ティーゼは、呼び鈴もついていない敷地の門の前で、しばらく悩んだ。屋敷の玄関扉まで行けばなんとかなりそうな気もしたが、断りもなく鉄の門扉を開け、長い石畳の上を踏み歩いて進んで良いものか判断がつかない。