「大丈夫だって、真紅。紅緒様にもご納得いただけるようにがんばるから」
「……うん」
安心させるような黎の言葉に、また泣きそうなる。
そして、がんばらないといけないのは自分でもあると覚悟しなければ。
「黎さんと真紅が付き合うのかー。いいなー。あたしも彼氏ほしいー」
「み、海雨に彼氏っ? す、すきな人とかいるの?」
「いないんだけどねー。でもやっぱり、憧れる」
海雨は膝を抱えて、から笑いを見せた。
「大丈夫。海雨ならすっごい素敵な人いるからっ」
真紅が力説すると、海雨はぷっと吹き出した。
「そうだね。真紅の相手が黎さんなんだもんね。あたしも気長に待つかー」
私たちを見て、海雨は微笑んだ。
「黎さん、真紅をよろしくね? あたしの大事な親友(ともだち)なんだから」