「……あみ、だったんだな」

「え?」

「いつ、髪染めたの?」

瞬に見つめられて、なんだかわからないけど、鼓動が、とくんとくん、と早くなる。

「おと、つい」

そっか、と瞬が笑った。

「何?瞬は、何でそんなこと聞くの?」

私の胸の中に、ほんのりとした淡い期待が広がっていく。

「……一人じゃ無いって思ってた。俺、此処でいつも星見てたから。……あみが居ない夜だけ。自分に自信なくてさ、話しかけられなかった」

「え?……じゃあ、瞬……?」

私が、ポケットから手紙を取り出そうとした手を、瞬が、ギュッと掴んだ。

「もし、良かったら、今夜、俺と、みずがめ座流星群見てくれませんか?」

あまりにもびっくりして、私は一瞬固まっていた。星が落っこちてきたんだと思った。いつも見上げてばかりの、一人きりの心の夜空に。瞬の、私を見つめる綺麗な瞳が、まるで、お星様みたいで、心の中が、小さく光った気がした。

「あ、はい!私でよかったら……」

私たちは、互いの顔を見合わせて笑った。ちょっぴり気恥ずかしくて、でも、互いの淡い恋心に気づいたのが嬉しくて、二人でしばらく笑い合った。


「あ!あみ、時間だよ、間に合って良かった」

ーーー瞬が、立ち上がると、長い人差し指で夜空を指差した。