シャルロッテには思い当たる節がいくつもあった。
 エルヴィンといるといつも心地よく、傍にいないと落ち着かない。
 そして、抱きしめられると鼓動が速くなって苦しくなる。

(これが……恋……)

「シャルロッテ、私も君のことが好きだよ」
「嬉しいです、本当に。ありがとうございます」

 そうしてエルヴィンはシャルロッテの首元に顔をうずめる。

「シャルロッテ、愛してる」

 しかし、その言葉の返答が返ってくることはなく代わりに静かな寝息が聞こえてきた。

「シャルロッテ?」

 エルヴィンがよく見ると、シャルロッテは安心したように穏やかな表情で眠りについていた。

「これはなんというか、警戒されていないというか、私の理性を試しているのか」

 そういって眠るシャルロッテのおでこに優しく唇をつけると、ゆっくりとエルヴィンもその横で眠った──