「それではゆっくりお休みくださいませ」

 そういってレオンはエルヴィンの部屋のドアをゆっくりと閉めて退室した。

「シャルロッテ、ごめんね寂しい思いをさせて」
「いいえ、無事でしたらそれでよいのです。でも、ちょっと寂しかったです」

 「ちょっと」と言って少し遠慮がちに寂しさを伝えたシャルロッテの嘘に、エルヴィンはすぐ気づいた。
 エルヴィンはシャルロッテに近づくと、そっと背中に腕を回す。
 それを受け入れるようにシャルロッテもエルヴィンの腰に腕を回して、愛情を伝えた。

 すると、エルヴィンはシャルロッテの腕を強く引っ張るとそのままベッドへと押し倒す。

「エルヴィン様っ?!」
「会いたかった……ずっとシャルロッテの声が聴きたくて」

 ベッドへと仰向けになるシャルロッテの右手を、エルヴィンの左手がおさえる。
 右手でシャルロッテの流れるような髪を梳くとそのまま頬へとすべらせた。
 細く長い指先がシャルロッテの唇をなぞる。