「シャルロッテ嬢、ぜひこのクリストフとも仲良くしていただきたい」
「え、ええ。もちろん。よろしくお願いいたします」

 慌ててお辞儀で返すシャルロッテは、ただのお辞儀かカーテシーかわからない中途半端な礼をしてしまう。
 その様子を見てクリストフは優しく微笑むと、エルヴィンに話しかける。

「なるほど、これは溺愛する意味もわかるな」
「……」

 エルヴィンの顔はひくひくと引きつってクリストフに怒りの視線を向ける。

「お前がそこまで感情を露わにするのを初めてみるよ」
「感情的になどなっていない」
「その否定がすでに感情的だ」

 「それじゃあ、また来るよ」と言ってクリストフは二人に挨拶をしたあと部屋から出た。
 部屋にはシャルロッテとエルヴィンが残される。