こうして二人は眠り、起きた頃には朝食の時間をとっくに過ぎていた。
 シャルロッテが起きた気配を感じ、エルヴィンも目を覚ます。
 エルヴィンは自分の目の前で目をこするシャルロッテの腕を掴み、慌てて止めた。

「ダメだよ、シャルロッテ。腫れているときはこすっちゃ」
「あ、そうなのですか……」


 涙を流したことがあまりなかったシャルロッテは、目が腫れることなど意識したことがなかった。
 それに他人からもそのように愛情をかけてもらったことがなかったため、彼女はエルヴィンのその言葉に嬉しくなる。

「さて、ラウラに何かランチを作ってもらおうか」
「はいっ!」

 二人はたわいもない話をしながら、ダイニングへと向かった。