窓からは外の景色がよく見え、綺麗な花が咲き誇る庭園が目に映る。
 そのすぐ横には本棚があり、その本棚はまだ隙間がかなりあって本が新しく入れられそうだった。

(あ、ベッドが綺麗に整えられている)

 シャルロッテが今朝部屋を出るときに、見よう見まねでぎこちなく整えておいたベッドもまた綺麗にベッドメイキングされていた。

「シャルロッテはまずここの家での生活に慣れてみてほしい。何かあれば私かメイドや執事に言ってくれればいいからね」
「あ、はいっ! ありがとうございます。あのっ!」

 部屋を去ろうとするエルヴィンの背に向かって、シャルロッテは言葉をかけた。
 どうしてもシャルロッテには疑問に思うことがある。それは……

「どうして私を婚約者に……?」

 その言葉を聞いてエルヴィンはシャルロッテに再び身体を向きなおす。

「ご存じかもしれませんが、私は実家で忌み嫌われた存在で離れで暮らしておりました。メイドさんのお話だと、私は忌まわしい『金色の目』を持つ存在なのだそうです。ですから、こ……エルヴィン様にご迷惑がかかるのではないかと」

 じっとシャルロッテの話に耳を傾けるエルヴィンは、少し考えた後シャルロッテに語る。

「もちろん知っているよ。その上での婚約、結婚だよ」

 そういって、シャルロッテがいる窓際へと歩き、椅子にかけて続きを話す。