「さあ、ユチ様。まだまだこれからでございますよ」
「い、いや、もうずいぶんと時間が経っているような気がするのだが……」
相変わらず、俺はルージュによる卑猥なマッサージの餌食になっていた。
無論、身につけているのはパンツのみだ。
どう頑張っても、毎回毎回半裸にされちまう。
「せ、せめて、特製オイルとその手つきはやめてくれないだろうか……」
「お断りいたします。無理な注文でございます」
ルージュにピシリと断られてしまった。
前から知っていたが、彼女は結構意思が強いタイプなのだ。
こうなったら、自然に飽きるのを待つしない。
と言っても、せいぜい一週間くらいで飽きるだろうしな。
気長に待つだけだ。
「それにしても、瘴気たちはどこから来るんだろう?」
「私めも気になっておりました」
俺が村を聖域化する度、瘴気は浄化されて消えていく。
だが、しばらくすると、どこからか新しい瘴気がやってくるのだ。
聖域化のスキルもパワーアップしたようで、以前より持続力が伸びていた。
だから、ほっとけば勝手に消えちまうのだが、やっぱり気になっていた。
「領民たちはみんな良い人だから、邪な心に引き寄せられているとは考えにくいけど」
「どこかに吹き出し口のような物があるのでしょうか」
「なるほど……それはあり得るな。だとすると、もう一度領地を詳しく探した方が良いな」
そんなことを話していると、ソロモンがやってきた。
「生き神様、そんな渋い顔をしてどうされましたかな?」
「ええ、瘴気がどこから来るのか考えてまして……」
ソロモンさんも一緒に考え出した。
やがて、ポンッ! と手を叩いた。
「そうじゃ! おそらく、村で一番大きな木が原因かと思いますじゃ」
「一番大きな木……ですか?」
「詳しく教えてくださいませ」
「実際に見た方が早いですじゃ! 生き神様、さっそく行きましょうぞ!」
「だ、だから、服を……!」
「ユチ様はそのままで素敵でございます」
「お願いだから、ちょっ、待っ」
結局、半裸で連行される。
諸々諦めてソロモンさんについていく。
「いつ見ても、生き神様のお身体は神々しいな」
「ああ、涙が出るほど素晴らしいよ。もはや、見ているだけで癒されるようだ」
「あのぬらりとした質感がたまんねえや」
俺がほぼ全裸で歩き回ることも、すっかり定着してしまった。
この辺りもいずれどうにかしないとな。
最近に至っては、来客にも裸で対応することが多い気がする。
オーガスト王国の王女様とか来たら大変だぞ。
まぁ、絶対にあり得ないけど。
アタマリたちはと言うと、毎日村で汗を流して働いていた。
「おい、お前ら! 仕事があるって最高だな! 俺なんか毎日幸せだよ!」
彼らは自作した鍛冶場では、アタマリが槌を振るいながら泣いている。
部下たちも涙を流していた。
「頭の言う通りでさ! 働くのがこんなに素晴らしいことなんて、ユチ様にお会いするまで知らなかったぜ!」
「これが生きがいって言うんだろうな! ユチ様に出会ったおかげで生きる意味が見つかったぞ!」
「ああ、なんて幸せな生活なんだ! 俺は一生ここに住み続けるぞ! デサーレチで存分に仕事をするんだ!」
彼らの服装や見た目もめっちゃくちゃ変わっていた。
髪型は清潔そうな短髪になり、衣服は動きやすい鍛冶師みたいな格好になっていた。
どうやら、領民たちが散髪したり服を分けてあげたらしい。
凶悪な雰囲気は消え去り、むしろ爽やかなキラキラエフェクトが出ている。
どこからどう見ても、立派な鍛冶職人たちだった。
「そのうち、俺たちが迷惑をかけた人たちへ謝りに行かねえとな! お前らもそう思うだろ!?」
アタマリが額の汗を拭き、部下たちに話しかける。
「おっしゃる通り! 俺たちは心を入れ替えたんだ! これからは真面目に真剣にユチ様、人様のために働くぜ!」
「今になって思えば、なんで盗賊なんかやっていたんだろう!? 恥ずかしくてしょうがねえや!」
「盗んだ宝も全部返して、壊した倉庫やら金庫やらも全部直しに行くぞ! ああ、今から楽しみになってきた!」
デサーレチに来た時とは想像もつかない変化だ。
彼らがこんなに真面目になるなんてなぁ。
人間変われば変わるもんだ。
いずれはデスマインで採れた鉱石の加工もやりたいと言っている。
「ユチ様がいらっしゃったぞ! 礼っ!」
「「ユチ様! 我々に生きがいのある仕事を与えてくださり、誠にありがとうございます! 未来永劫、ユチ様のために尽くします!」」
例のごとく、直立不動の直角お辞儀で挨拶された。
彼らは芸術品のように規則正しく並んでいる。
むしろ、こっちが恐縮するほどだった。
「いや、だから、そんなにしなくていいから……」
「永遠に崇め続けなさい」
「「はいっ!」」
彼らのおかげで、村の建物はどんどん立派に豪華になっていった。
掘っ立て小屋みたいだったのが、今や王都顔負けの家並みだ。
デサーレチは元々広いので、みんな大きな平屋に住んでいる。
俺の家に至っては……もはや宮殿のようになりつつあった。
今まで住んでたところでいい、と言ったんだが、どうしてもやらせてほしいとのことだった。
「ユチ様! 仕事が遅くて申し訳ございません! ユチ様のお屋敷は、村で一番最高の家にいたしますから! もう少しだけお待ちください! お前ら、気合入れていけよ!」
「「はいっ!」」
まだ工事中だが、全容がなんとなく見える。
横長の平屋みたいで、適度なとんがり屋根がセンス良く配置されている。
屋敷というか、もはや小さな城だな。
近くだと全体が見えないくらいだ。
「アタマリたちは意外と美的センスもあったんだなぁ。というか、村に着てからそんなに経っていないのに、ここまでできるってすごいじゃないか」
「襲って来た時からは想像もつきませんね」
そのうち、大樹が見えてきた。
遠目からでも瘴気が噴き出しているのがわかる。
「生き神様なら、きっとあの樹も浄化できるはずじゃよ」
「ユチ様、どうぞ御業を見せてくださいませ」
俺たちの前にある樹はとても大きい。
その分、瘴気もたくさんあった。
ここを浄化すれば、村全体も安心だろう。
さてさて、最後の瘴気退治になるかもしれんな。
「い、いや、もうずいぶんと時間が経っているような気がするのだが……」
相変わらず、俺はルージュによる卑猥なマッサージの餌食になっていた。
無論、身につけているのはパンツのみだ。
どう頑張っても、毎回毎回半裸にされちまう。
「せ、せめて、特製オイルとその手つきはやめてくれないだろうか……」
「お断りいたします。無理な注文でございます」
ルージュにピシリと断られてしまった。
前から知っていたが、彼女は結構意思が強いタイプなのだ。
こうなったら、自然に飽きるのを待つしない。
と言っても、せいぜい一週間くらいで飽きるだろうしな。
気長に待つだけだ。
「それにしても、瘴気たちはどこから来るんだろう?」
「私めも気になっておりました」
俺が村を聖域化する度、瘴気は浄化されて消えていく。
だが、しばらくすると、どこからか新しい瘴気がやってくるのだ。
聖域化のスキルもパワーアップしたようで、以前より持続力が伸びていた。
だから、ほっとけば勝手に消えちまうのだが、やっぱり気になっていた。
「領民たちはみんな良い人だから、邪な心に引き寄せられているとは考えにくいけど」
「どこかに吹き出し口のような物があるのでしょうか」
「なるほど……それはあり得るな。だとすると、もう一度領地を詳しく探した方が良いな」
そんなことを話していると、ソロモンがやってきた。
「生き神様、そんな渋い顔をしてどうされましたかな?」
「ええ、瘴気がどこから来るのか考えてまして……」
ソロモンさんも一緒に考え出した。
やがて、ポンッ! と手を叩いた。
「そうじゃ! おそらく、村で一番大きな木が原因かと思いますじゃ」
「一番大きな木……ですか?」
「詳しく教えてくださいませ」
「実際に見た方が早いですじゃ! 生き神様、さっそく行きましょうぞ!」
「だ、だから、服を……!」
「ユチ様はそのままで素敵でございます」
「お願いだから、ちょっ、待っ」
結局、半裸で連行される。
諸々諦めてソロモンさんについていく。
「いつ見ても、生き神様のお身体は神々しいな」
「ああ、涙が出るほど素晴らしいよ。もはや、見ているだけで癒されるようだ」
「あのぬらりとした質感がたまんねえや」
俺がほぼ全裸で歩き回ることも、すっかり定着してしまった。
この辺りもいずれどうにかしないとな。
最近に至っては、来客にも裸で対応することが多い気がする。
オーガスト王国の王女様とか来たら大変だぞ。
まぁ、絶対にあり得ないけど。
アタマリたちはと言うと、毎日村で汗を流して働いていた。
「おい、お前ら! 仕事があるって最高だな! 俺なんか毎日幸せだよ!」
彼らは自作した鍛冶場では、アタマリが槌を振るいながら泣いている。
部下たちも涙を流していた。
「頭の言う通りでさ! 働くのがこんなに素晴らしいことなんて、ユチ様にお会いするまで知らなかったぜ!」
「これが生きがいって言うんだろうな! ユチ様に出会ったおかげで生きる意味が見つかったぞ!」
「ああ、なんて幸せな生活なんだ! 俺は一生ここに住み続けるぞ! デサーレチで存分に仕事をするんだ!」
彼らの服装や見た目もめっちゃくちゃ変わっていた。
髪型は清潔そうな短髪になり、衣服は動きやすい鍛冶師みたいな格好になっていた。
どうやら、領民たちが散髪したり服を分けてあげたらしい。
凶悪な雰囲気は消え去り、むしろ爽やかなキラキラエフェクトが出ている。
どこからどう見ても、立派な鍛冶職人たちだった。
「そのうち、俺たちが迷惑をかけた人たちへ謝りに行かねえとな! お前らもそう思うだろ!?」
アタマリが額の汗を拭き、部下たちに話しかける。
「おっしゃる通り! 俺たちは心を入れ替えたんだ! これからは真面目に真剣にユチ様、人様のために働くぜ!」
「今になって思えば、なんで盗賊なんかやっていたんだろう!? 恥ずかしくてしょうがねえや!」
「盗んだ宝も全部返して、壊した倉庫やら金庫やらも全部直しに行くぞ! ああ、今から楽しみになってきた!」
デサーレチに来た時とは想像もつかない変化だ。
彼らがこんなに真面目になるなんてなぁ。
人間変われば変わるもんだ。
いずれはデスマインで採れた鉱石の加工もやりたいと言っている。
「ユチ様がいらっしゃったぞ! 礼っ!」
「「ユチ様! 我々に生きがいのある仕事を与えてくださり、誠にありがとうございます! 未来永劫、ユチ様のために尽くします!」」
例のごとく、直立不動の直角お辞儀で挨拶された。
彼らは芸術品のように規則正しく並んでいる。
むしろ、こっちが恐縮するほどだった。
「いや、だから、そんなにしなくていいから……」
「永遠に崇め続けなさい」
「「はいっ!」」
彼らのおかげで、村の建物はどんどん立派に豪華になっていった。
掘っ立て小屋みたいだったのが、今や王都顔負けの家並みだ。
デサーレチは元々広いので、みんな大きな平屋に住んでいる。
俺の家に至っては……もはや宮殿のようになりつつあった。
今まで住んでたところでいい、と言ったんだが、どうしてもやらせてほしいとのことだった。
「ユチ様! 仕事が遅くて申し訳ございません! ユチ様のお屋敷は、村で一番最高の家にいたしますから! もう少しだけお待ちください! お前ら、気合入れていけよ!」
「「はいっ!」」
まだ工事中だが、全容がなんとなく見える。
横長の平屋みたいで、適度なとんがり屋根がセンス良く配置されている。
屋敷というか、もはや小さな城だな。
近くだと全体が見えないくらいだ。
「アタマリたちは意外と美的センスもあったんだなぁ。というか、村に着てからそんなに経っていないのに、ここまでできるってすごいじゃないか」
「襲って来た時からは想像もつきませんね」
そのうち、大樹が見えてきた。
遠目からでも瘴気が噴き出しているのがわかる。
「生き神様なら、きっとあの樹も浄化できるはずじゃよ」
「ユチ様、どうぞ御業を見せてくださいませ」
俺たちの前にある樹はとても大きい。
その分、瘴気もたくさんあった。
ここを浄化すれば、村全体も安心だろう。
さてさて、最後の瘴気退治になるかもしれんな。