〇第1話シナリオ

 ドラゴンナイトの家門に生まれたキロナは生まれつき家門の適正が弱く、ドラゴンを操るのが苦手であった。
 その為、家庭には居場所がなく、家族から迫害に近い扱いを受けていた。
 そんな中でも、前向きに生きるキロナは、ボロボロになりながらも懸命に生き、そして、15歳の年を迎えた時、ついに転機が訪れる。
 それが、一族の適性検査の日であった。
 古より伝わる秘術で、子供の適正を確認し、それに応じた契約を結ばせることで主従関係を結んだドラゴンを召喚できるようになる。
 父は炎竜、兄弟も海龍や地龍等の強力なドラゴンを扱える優秀なものばかり。キロナもその日の適正検査を心待ちにしていたが、敵性の結果は「飛竜」であった。
 飛竜(ワイバーン)はドラゴン種の中でも最弱の部類であり、兄弟には遠く及ばないモノであった。
 しかも、迫害に近い扱いを受けていたキロナには、まだまだ力が足りないため魔力が少なく軽々に召喚もできない有様であった。
 そんな出来損ないのキロナにうんざりした父によって、家を破門され、追放される。

 二度と帰ることの出来なくなった場所を顧みる暇もなく、僅かなたくわえだけを手に、生きるために冒険者の多く住む町を目指す。
 冒険者なら、身元の保証がなくても慣れると思い、街道をゆくキロナであったが、運悪く盗賊に襲われ、貞操に危機に陥る。
 群がる盗賊を前に、初めて飛竜を召喚するキロナ。飛竜とはいえ、田舎盗賊相手ならかなり戦えると思っての事であったが、
 捨て身の召喚により、見事召喚に成功した飛竜は通常の飛竜とは明らかに異なっていた。

 それはけたたましいエンジン音を響かせる日の丸の重爆撃機……。
 2000馬力級エンジンを双発にした航空機であったのだが───。


〇第2話シナリオ

 飛竜を召喚したキロナ。
 驚く盗賊を尻目に、悠々と滑空する飛竜は、キロナの求めに応じて、攻撃開始。
 その搭載火器と爆弾によって、瞬く間に殲滅してしまった。
 唖然とするキロナであったが、その手の先にある飛竜は、盛大にバンクを振りながら、召喚された世界へと戻っていった。

 ……どうやら、魔力の限界らしい。

 せっかく召喚したというのに、その時間は幾ばくも無かった。
 しかし、キロナの心はむしろ喜々としていた。なにせ初めて召喚した飛竜だ。自分が他の家族とどうみても、召喚したそれの系統が違う。
 だが、それでハッキリしたことがある。
 キロナにはドラゴンを扱うことはできないが、四式重爆撃機なら扱えると───……。

 飛竜によって力づけられたキロナは、盗賊対峙の証明と、僅かな経験値を手にして喜び勇んで町に向かうのだった。


〇第3話シナリオ

 町についたキロナはさっそく冒険者ギルドを目指す。
 本や伝聞で見聞きしていたものとはあるかに違う街・町・まち! その規模と人の多さに驚くキロナは、その勢いのままギルドへと入店した。
 ありきたりな建物で、カウンターと酒場を併設するタイプ。しかし、キロナにはそれすら珍しかったのは言うまでない。

 キョロキョロしているキロナに絡む冒険者たちがいるも、その途中でキロナの手の甲に刻まれた「竜の一族」の文様にビビったのか、挙動不審になるパイセンたち。

 キロナは苦笑して通り過ぎると、カウンターに向かっていき、手続きを開始───そこで初めて名前で呼ばれることになる。
 しばし感動しているキロナであったが、盗賊の討伐証明を出したところで空気が一変。
 凄腕の新人が現われたと絶賛されることになる。盗賊は近隣を荒らす厄介な連中だったらしい───。

 そして、このことがきっかけでキロナは様々な事件に巻き込まれていくことになる。