「グラン様。お夕飯が出来上がりました。皆さんお待ちです」

「わかったよ。ありがとうマリネ。今行く」
 グランが部屋を出るとそとにいたマリネが訊ねてきた。

「グラン様。魔法はお使いになれましたか?」

「うん!神様に素晴らしい才能を頂けたみたいだね。あとマリネのお陰だね。マリネのアドバイスのお陰でうまく行ったからね!」

「!?そ、そうでしたか。お役に立てて何よりです」
(何でまだ洗礼を受けていないのに魔法を使えるようになっているのかしら!?やはりグラン様はすごい才能の持ち主としか思えません!!これは旦那様と奥様にご報告しなくては!)
 二人が食堂に着くとグランの父であるカール・レア・ベルセリアと母であるニーナ・レア・ベルセリア、そしてグランの妹のカノン・レア・ベルセリアが席に着いていた。

「遅くなってしまいすみません」

「もー遅いよお兄ちゃん」

「ごめんね。カノン」
 カノンは今年で6歳になる僕の実の妹だ。

「まあそんなに待っていないから大丈夫よ。グラン」

「ありがとうございます。お母様」

「さあ夕飯にしましょう!」
 ベルセリア家の食卓はメイドや執事も一緒に食べることが習わしとなっている。
 何でも父が言うには「私たちは新興貴族だし名誉貴族だからね。あまり気にしないでいいのだよ。皆で食べた方が楽しいしね。あっ、ただしお客様がいるときは別だけどね。」とのこと。
 グランは素敵な考えだと思うがあまり一般的ではないらしく少し残念に思った。

「グランは魔法の本を読んでいたみたいだが魔法はどうだった?使えそうか?」

「無事に使うことができました!今のところは火と水だけですけど」

「そ、そうか……。ならよかった」
(火と水だと?普通は8属性である火・水・風・土・光・闇・氷・植物のうち1属性を使うために5年は修行を積まないと使えるようにならないのにもう2属性も使えるだと?)

「グランは魔法が何属性あるか知っているか?」

「えーっと、確か火・水・風・土・光・闇・氷・植物の8属性ですよね」

「ああ。それに幻と言われている神聖・機械2属性を足して合計10属性だな」

「そうなんですか!その2属性も使ってみたいです。特に機械とか見てみたいです!」

「グランは才能があるから頑張れば使えるかもしれんぞ?」

「本当ですか!?頑張ります!」

「とりあえず神々の洗礼まで頑張ってくれ」

「はい!」
 他にも色々な話をしながら夜は更けて行った。