「私の固有技能は絶断。物を絶対に斬るシンプルな固有技能だ」 
 会長の固有技能が判明しその後も二人の戦いは熾烈を極めた。
 グランはいつ会長が絶断を使用するかわからないためできるだけ防御はせずに回避に努めた。
 その結果グランが避け回ってるだけの試合が続いていた。

 これはまずいな。
 このままだとジリ貧で負けることになる。
 そろそろ攻撃の一手に出たいけどどの技能を使おうかな。
 下手に中途半端だと絶断でやられるから注意しないと。

「まさかグラン君がここまでの実力だとはね。副会長でもはじめはここまで持たなかったんだからね。さすがはSSSランクの冒険者といったところか」

「会長こそここまで技能を持続して放てるなんて優れた技能なんですね」

「そろそろ決着をつけたいところだが……」

「そうですねそろそろ終わりにしましょうか」
 グランとクリスタベルベッカは互いに見合いお互いの最高の技を放った。

「海割流奥義海断裂波!」

「魔法剣:空間(ディメンジョン)裁断(ブレイク)
 二人の周りに衝撃波が発生し争いは熾烈を極めた。
 両者ともに衝撃波に対応し一歩も譲らない様子で距離を詰め攻撃体制へと入った。

一時付与(エンチャント)氷花(アイス)っ!」

「武具神:刀剣創造!斬撃強化っ!鋭利化っ!」

「海割流秘奥義海開っ!」

「桜栄二刀流桜吹雪」

「はあぁっ!」

「やぁっ!」
 クリスタベルベッカのすべてを断ち切る絶断の斬撃とグランの乱れ突きがぶつかり合い拮抗が続いていた。

 これでも勝てないか……。
 本当にこの学園のトップなだけあるね。
 しょうがないから一瞬だけあれ使うか。

「……憑依:剣神ヤマト」

「ぬお!?」
 グランの剣戟が一時的に速度を増しクリスタルベルベッカを圧倒した。

「はあぁっ!」

「くっ……かはっ……」
 グランの渾身の一撃が決まり接戦であった模擬戦はグランの勝利で幕を閉じた。