「ありがとうございました。お陰でずっと疑問だったことが解消することができました」
グランによるアーサーへの質問が終わりまたみんなで話を再開した。

「じゃあ後程スマホの使い方について説明させていただきます」

「よろしくなグランよ」
グランとアーサーは同じ日本から来たという事でかなり仲良くなっていた。
グランとアーサーが住んでいた地域が近くにあったみたいで近所の話や共通の趣味の話などで盛り上がりもはや王と家臣と言う立場ではなかった。
しかしアーサーはそっちの方がいいとのことだったので二人のときは身分関係なく友人でいることになった。
「じゃあ堅苦しい話はここまでにして少し待っておれ。宴会にしよう!わしはもっとグランと話をしたいぞ」
アーサーはまだまだ話足りないのだろうか、話になかった宴会をしようと言い出した。
「いいわねあなた!私もグランさんのお話を聞いてみたいわ~」

「えっと……」

「あら~自己紹介がまだだったわね。知ってるとは思うけど私はヒメナ・フォン・ダイナースよ~よろしくね~」
ヒメナはそういった。
グランはなんとなくのんびりした人だと感じた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「グランの徐爵を祝って乾杯!」

「「「「「「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」」」」」」

アーサーの乾杯の音頭で始まった宴会は大変賑わった。
並べられた料理と飲み物は王城と言うこともあってどれもとても美味しいものであった。
しかし祝いの場とお酒が入り、それはもう荒れに荒れた。
アーサーが転移者と言いかけてグランたちまでばれそうになったり、
カノンやティナたち女性陣が間違えてお酒を飲んでグランに迫ってきたり……まあ色々だ。
大人たちや間違えてお酒を飲んだ女性陣が寝てしまい、特別に泊まらせてもらえることになった。
そんな宴会も終わりグランは一人城を抜け出して森で夜風に当たっていた。

「今日は色々あったな……これからもっと忙しくなりそうだ」
急に男爵になり王が自分と同じ日本から来たと言うことがわかったからかグランはかなり疲れが出ていた。

「康太さんは僕を男爵にしてなにがしたいんだろう?まあなるようになるだろう」
グランはこれからのことについて考えながら夜の散歩へと繰り出すのであった。