(ナミアには俺の魔法を防ぐ手段を持っている。防ぐタイミングで隙が必ずできるはず!)

(グランはもう私が魔法を無効化する技能を持っていることを察してる。だからもう変に隠したりしないで力で押し通る!)

 準決勝が始まりかなりの時間が過ぎた。
 二人とも疲労が目立ってきていた。

「準決勝が始まってかなりの時間が経ちました!両者一歩も譲らぬ激しい戦いが続いております!この勝負どちらが勝つのか!?」

「そろそろ体力や魔力が厳しいんじゃない?」

「そ、そっちだってもう持たないんじゃないの?」

「俺はまだまだ大丈夫だよ」

「じゃあ最後にお互いの最高の攻撃で決着を着けようよ」

「いいよ。ナミアは昔からその勝負のつけかたが好きだったからね」

「これが一番手っ取り早いんだからいいじゃん!」

「それもそうだな」

「「いざっ!」」
 そういって駆け出すとナミアは剣術をグランは魔法剣を発動した。

「始源流 壱の太刀 始刃(しじん)ッ!」

「魔法剣:雷撃ッ!」

「「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 二人が中央で激突し、最後に立っていたのはグランであった。

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「やっぱり負けちゃった……」

「でもナミちゃんはがんばったほうよ。あのグランをあそこまで追い詰めたんだから」

「私グランの魔法剣初めて見たよ!それを使わせたナミちゃんはすごいと思うなぁ」

「というかナミアはどうやってグランの魔法を防いでいたの?魔力障壁(マジックシェル)を展開しているようには見えなかったのだけれど」

「それは私の固有技能(ユニークスキル)の効果だよ。魔法無効化(アンチマジック)っていう発展型(タイプ:グロウ)のスキルなんだ」

「それはまた珍しい技能ですね!」

「でしょ~?でもまだまだ発展途上だから中級程度のものまでしか防げないんだ」

「だから最初の魔法がだいたいはじかれてたわけだ」

「「「「「グラン!」」」」」

「ナミちゃんを傷物にするなんて……」

「ほんとひどいよね……。責任、取ってくれるよね……」

「……え!?そ、そんなつもりじゃ…………」

「「「ナミちゃんかわいそう」」」

「え、ええ……」

「……そろそろいいかな?」

「ぷっ!アハハ!グランが本気困ってるなんてなかなか見れないよね」

「ほんとにね。満足したわ」

「もうやめてよ……本気でどうしようかと」

「ちなみにどうするつもりだったんですか?」

「……ノーコメントで」

「「「「いやらしい~」」」」

「グラン後でお説教ね」

「なぜに!?」
 鬼のような形相をしたティナとそれを見て笑うみんなの姿がそこにあった。

「っとそういえば今フレッドリックたちの決着がついたみたいだ」

「それでどっちが勝ったの?」

「アレグサンダー・レア・ギガスト選手だ」