~ナミアside~
「ふぁぁぁ~……」
 私は起きるとグランと約束した朝の訓練の準備を始めた。

(グランと朝から一緒に運動できるなんて夢みたいだよ♪こっちに来てからさらにカッコよさに磨きがかかって……)

 波華は昔から陽翔の事が好きだった。
 生まれた時からの付き合いだがそのことに気が付いたのは小学校の卒業の時であった。
 恵梨香が海外に引っ越すことを知った時に心のどこかではわかっていたいつか離れる時が来るという事を強く認識した。
 
(あのときに陽翔のことが好きってわかったんだよね……。懐かしいなぁ)

 そのためこちらで記憶を取り戻したときに一晩中泣いたものだ。

「でも陽翔もこっちに来てたのはうれしかったなぁ」

 ナミアが物思いにふけっているとドアがたたかれた。

「おはようごさいますナミアさん!一緒に行きましょう」

「お、おはようサリーネ!行こう!」

(危ない危ない……聞こえてないよね?)

「ナミアさん。今日の放課後って時間ありますか?お姉様とエリーさんとお茶会をするのです」

「いいね!今日はなにもないから行こうかな」

「じゃあ向こうに着いたらみんなで話しましょう」

「オッケー」


~エリザベートside~
「そろそろ行こうかしら♪」
グランとの訓練の準備が終わり時間も迫ってきたところで私は訓練場に行くことにした。

(朝からはると過ごせるのはいい!私は中学校に上がるときに海外に引っ越しちゃったからあまり一緒にいれなかったんだよね……)

恵梨香は小学校高学年のときに自分の思いに気がついた。
始めは混乱していた恵梨香だったがあからさまに好きですオーラを出している浪華を見てその迷いは晴れた。

(あのあと二人が付き合ってたらどうしよう……とか、でも私との文通が続いてるから大丈夫!……大丈夫かなぁ……?とか考えたなぁ)

エリザベートもこちらで記憶を取り戻したとき涙で枕を濡らした一人だった。
神々の世界で陽翔を見たときは舞い上がりそうな気持ちだった。

「それにこの世界は一夫多妻が認められているからなみちゃんと争わなくてすむし♪」

「おはようエリー!行きましょ!」

「今行くわ!」


~グランside~
グランが訓練場にティナとフレッドリックと行くともうすでに四人が集まっていた。

「みんないつの間にか仲良くなってたね」

「そうだね!みんな仲良しだと嬉しいよぉ」

ティナは尻尾をフリフリさせながら嬉しそうにそう答えた。

「グラン!こっちこっち!」

「早く始めましょう!」

「そうだね。シャミア、サリーネ。始めようか」

「グラン!今日はなにするんだ?」

「フレッドリックは魔法を構築しながら素振りかな。ティナはエリーと剣術だけで模擬戦。ナミアは魔法を構築しよう。シャミアとサリーネは僕と一緒にこれからどうするか決めよう!」