「じゃあ帰ろうか」
 グランたちは窒息で気絶した男たちを縛り上げ、衛兵たちに引き渡すと寮に戻ることにした。

「衛兵たちの取り調べを受けていたら結構時間経っちゃったね」

「門限までは確実に間に合わないからゆっくり行こう!」

「五人とももう大丈夫?」

「ええ。私は大丈夫よ。」

「私も元々そんなに気にしてないから」

「私に至っては2回目だからね……。今回もグランが助けてくれたし♪」

「みんな本当にごめんなさい……」

「みなさんを巻き込んでしまって……グランさんが助けに来てくれなかったらどうなっていたか……」

「もうすんだことだし平気だわ!だからそんなに気落ちしないで」

「私は元々気にしてなかったから」

「私はまたグランのかっこいい姿を見れたから結果オーライだよ♪」

「「本当それっ!」」

「まあ俺はほぼ何もしてないしな……」

「僕もみんなが無事だったならそれでいいんだよ。それにそんな苦労を含めて今日は楽しかったでしょう?」

「「はいっ!それはとても……」」

「だったらそれでいいんじゃないかな?最後にちょっとしたアクシデントはあったけど……でもこれを乗り越えたからこそもっともっと仲良くなれたと思うんだ。だからそんなに気にしなくていいんだよ!」

「困った時はお互い様だからね〜♪」

「……ありがと」

「じゃあ気にしないことにします。ありがとうございます!」

寮に着くと学園側にもう既に伝わってたらしく何のお咎めもなしだった。

「じゃあまた明日ね~」

「おやすみなさい」

「明日の朝もよろしく頼むわ」

「おう!じゃあまた」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~サリーネ&シャミアside~

「みんな優しくてよかったですね!お姉様」

「そうね。みんないい人たちね。私の技能も反応なかったし」

「珍しいですね。なかなかそんな人いないですから」

「しかも全員全く反応しなかったのよ!?むしろ気落ちしそうなくらい……」

「「…………………………………………」」

「それにしてもグランはすごかったわね」

「今日が初日だというのに一年分驚いたぐらいです」

「「かっこよかったなぁ……」」

「「えっ!?」」

「シャミア。あなたもしかして……」

「はい……。グランさんを見てるうちに胸がドキドキして……その……す、好き……なのかもしれません。あ!ま、まだわからないですよ!?」

「やっぱりそうなのね。」

「と言うかそういうお姉様も!」

「ふぇっ?わ、わたし?私はまあ……」

「好きなんですよね!?」

「そ、そうね……」

「じゃあ今から私たちはライバルです!」

「え、ええっ!望むところよ」

「でももうすでにティナさんが婚約してますよね……」

「……そういえばそうだったわね」

「これってかなり私たちやばいのでは?」

「でも幸いこの国は一夫多妻制だからその点は平気そうね」

「でもそれは上級貴族以上の話ですよ。中級も少しいるかぐらいですから……みなさんあまりそのような認識がないのでは?」

「それもそうね……」

「「後はお父様が何と言うか……」」

「それに多分ナミアさんもグランさんのことを好きですよね」

「エリーはちょっとわからないわね。でもきっとなにも感じてないってことはないと思うわ」

「では明日二人に共同戦線を組まないか聞きに行きませんか?」

「それはいい考えね!二人がグランをどう思ってるかも知れるし」

「じゃあまた明日二人の部屋に行きましょう!」