「私の名前はティナ!狐人族だよ!」
「僕はグラン・レア・ベルセリア」
「ティナでいいよ!グランって呼んでもいい?」
「いいよ!」
「って今ベルセリアっていった?」
「ええと……いったね」
「ってことは貴族様なんだ!じゃあグラン様にします……」
「大丈夫だよ!親が貴族ってだけで僕はなにも偉くないから!それにティナとはもっと仲良くなりたいな」
(狐耳に尻尾だ!絶対いつかもふもふしたい!これは仲良くなっておかなければ!)
グランは日本でラノベを読むたびにもふってみたいと思っていた尻尾がそこにあるのである。
憧れの耳と尻尾が目の前にいることでグランのテンションは爆上がりしていた。
「……うん!わかったよ。これからよろしくね♪グラン!」
「こちらこそ!ところでティナはどうしてこの馬車に?」
「この男達に誘拐されてきたんだよ。グランに助けられてなかったらどうなっていたか……」
「やっぱり誘拐だったんだね……。ちなみに誘拐される前までは何処にいたの?」
「獣人族が住む村だよ!いろいろな種の獣人が集まってできた村なんだ♪」
「何処にあるかはわかる?わかるならそこまで送っていくよ」
「本当!?ありがとう!って言いたいとこなんだけど……、自分の村が何処にあるかわからないんだよね……。なにしろここ2、3日馬車からの風景を見れていなかったから……」
「そっか……。じゃあ一旦僕が住んでいる町まで行こう!そしたら何かがわかるかも!」
「でもでも私、こんなこと言うのもなんだけど着の身着のままここまで連れてこられたから……今お金とか何も持ってないんだ」
「そこは大丈夫だよ。とりあえずうちまで行こう!」
「そんな……悪いよ」
「でもこのままティナと別れて町まで帰るのも寂しいしティナの故郷についても調べよう!」
「じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな?」
「よし!そうと決まったら町まで急ごう!」
そう言うとグランは盗賊達を馬車に詰め込んだ。
結構な人数がいたがなんとか収めきれた。
「街に着くまでにいろいろ話をしよう!」
「うん!改めてよろしくね♪グラン!」
「ああ」
そして町に着くまでにティナは獣人の村のことをいろいろ教えてくれた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私がいた村は小さかったけどとても暖かくて楽しいところなんだ♪
お父さんとお母さんのお手伝いして、友達と村中駆け回って。
そうそう美味しいものもたっくさんあるんだよ!
今度機会があったときは一緒に食べようね!
それでね〜みんなで仲良く暮らしてたんだ!
でもある日友達と村から出て森で遊んでたの。
そこで魔物に襲われちゃって……。
みんな必死で逃げたんだけど私が転んじゃって、そこであの男達に助けられたんだ。
でも魔物の処理が終わってからも手を離してくれなくて私だけが捕まっちゃった…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「そうだったのか……友達はどうなったんだ?」
「友達は多分無事だと思うよ。あのあと男達と合流した人はいなかったから」
「そうか…じゃあ早く村を見つけて無事だって報告しなきゃね」
ティナは大きく頷くと小さく微笑んだ。
「おっ!そろそろ町が見えてきたぞ」
「そろそろだね!こいつらも引き渡さなきゃ!」
二人は門の前でチェックしている衛兵に声をかけた。
「すみません。盗賊の引き渡しをお願いします」
「っ!あなたはご領主様のご子息、グラン様ではないですか!?なぜ徒歩でこのような場所に?」
「今は冒険者として活動していますから。それよりもこいつらを牢屋に入れといてください」
「この者たちは?」
「こいつらは今隣にいるこの子、ティナを攫いここまできた誘拐犯です」
「なるほど……。わたしたちの方でも調べておきます。グラン様ありがとうございました」
「じゃあよろしくお願いします!」
二人は門をくぐり町に入ると冒険者ギルドに向かった。
「ルキアさん!依頼終わりました!」
「お疲れ様ですグラン様……とそちらは?」
「こっちはティナ。依頼から帰る途中に襲われてる馬車を見かけて……」
グランは一連の流れについて一通りルキアに説明した。
「なるほど…地竜ですか。そんなAランクの魔物が森の奥では無くこの周辺に……。ありがとうございますグラン様。ギルドでも注意喚起させていただきます。そしてティナ様の件承知しました。ギルドでも調べてみますね」
「「はい!よろしくお願いします!」」
「ところでグラン様は地竜には気づかれてませんよね?無事で良かったです!もし見つかっていたとなると……」
「…い、いえ見つかるって言うか普通に倒してきちゃいました……」
「「えっ……………………」」
「「た……倒したぁ!?」」
「えっ!盗賊たちが……とか盗賊と一緒に……とかでですか?」
「いや、一人で……」
「「「………………………………………………………………………………」」」
(あれっ?なんかやったかこれ?ま、まさかっ!あれか!?“Fラン風情が調子乗ってAランク倒してんじゃなーよ的なやつか?それともシンプルに規約違反とか……)
グランが冒険者についてどのような印象を持っているか定かでないが二人が驚いていたのは純粋に10歳の少年が倒せる相手ではないと言う点である。
「……ともかくグラン様が鬼のように強いのはさておき……このままのランクだといけないわね……」
「な、何か問題でもあったでしょうか……」
「本当に一人で地竜と盗賊を討伐したのならFランクのままではギルド的にも世界的にも損失です。そのため最低でもBランク程度には上げなくては……」
「えっ!?」
「なので一度確認のためギルド証をお借りしても?」
「?ギルド証で何かわかるんですか?」
「あれ?言ってませんでしたっけ?ギルド証には特殊な魔道具が入っていまして、討伐した魔物の魔力紋が残る仕組みになっているのです」
「そんな機能が……」
「というわけでお借りします」
ルキアが退室するとティナが話しかけてきた。
「グラン!冒険者ってすごいんだね!」
「そうだな。でも僕は最低ランクのFだからもっとすごい人もいると思うよ」
「そういえば冒険者って何ランクまであるの?」
「冒険者はF~Aまであってその上に規格外と称されるS,SS,SSSがあるんだ。Aとかは割といるんだけどS以上になるとほとんどいないんだ。特にSSSは伝説とされている人たちにしか与えられないから今持ってる人はいないんじゃないかな?」
「そうなんだ~。それじゃあAランクの地竜を倒しちゃうってグランはすごいんだね!」
その後もティナと話ながらルキアの戻りを待った。
「僕はグラン・レア・ベルセリア」
「ティナでいいよ!グランって呼んでもいい?」
「いいよ!」
「って今ベルセリアっていった?」
「ええと……いったね」
「ってことは貴族様なんだ!じゃあグラン様にします……」
「大丈夫だよ!親が貴族ってだけで僕はなにも偉くないから!それにティナとはもっと仲良くなりたいな」
(狐耳に尻尾だ!絶対いつかもふもふしたい!これは仲良くなっておかなければ!)
グランは日本でラノベを読むたびにもふってみたいと思っていた尻尾がそこにあるのである。
憧れの耳と尻尾が目の前にいることでグランのテンションは爆上がりしていた。
「……うん!わかったよ。これからよろしくね♪グラン!」
「こちらこそ!ところでティナはどうしてこの馬車に?」
「この男達に誘拐されてきたんだよ。グランに助けられてなかったらどうなっていたか……」
「やっぱり誘拐だったんだね……。ちなみに誘拐される前までは何処にいたの?」
「獣人族が住む村だよ!いろいろな種の獣人が集まってできた村なんだ♪」
「何処にあるかはわかる?わかるならそこまで送っていくよ」
「本当!?ありがとう!って言いたいとこなんだけど……、自分の村が何処にあるかわからないんだよね……。なにしろここ2、3日馬車からの風景を見れていなかったから……」
「そっか……。じゃあ一旦僕が住んでいる町まで行こう!そしたら何かがわかるかも!」
「でもでも私、こんなこと言うのもなんだけど着の身着のままここまで連れてこられたから……今お金とか何も持ってないんだ」
「そこは大丈夫だよ。とりあえずうちまで行こう!」
「そんな……悪いよ」
「でもこのままティナと別れて町まで帰るのも寂しいしティナの故郷についても調べよう!」
「じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな?」
「よし!そうと決まったら町まで急ごう!」
そう言うとグランは盗賊達を馬車に詰め込んだ。
結構な人数がいたがなんとか収めきれた。
「街に着くまでにいろいろ話をしよう!」
「うん!改めてよろしくね♪グラン!」
「ああ」
そして町に着くまでにティナは獣人の村のことをいろいろ教えてくれた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私がいた村は小さかったけどとても暖かくて楽しいところなんだ♪
お父さんとお母さんのお手伝いして、友達と村中駆け回って。
そうそう美味しいものもたっくさんあるんだよ!
今度機会があったときは一緒に食べようね!
それでね〜みんなで仲良く暮らしてたんだ!
でもある日友達と村から出て森で遊んでたの。
そこで魔物に襲われちゃって……。
みんな必死で逃げたんだけど私が転んじゃって、そこであの男達に助けられたんだ。
でも魔物の処理が終わってからも手を離してくれなくて私だけが捕まっちゃった…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「そうだったのか……友達はどうなったんだ?」
「友達は多分無事だと思うよ。あのあと男達と合流した人はいなかったから」
「そうか…じゃあ早く村を見つけて無事だって報告しなきゃね」
ティナは大きく頷くと小さく微笑んだ。
「おっ!そろそろ町が見えてきたぞ」
「そろそろだね!こいつらも引き渡さなきゃ!」
二人は門の前でチェックしている衛兵に声をかけた。
「すみません。盗賊の引き渡しをお願いします」
「っ!あなたはご領主様のご子息、グラン様ではないですか!?なぜ徒歩でこのような場所に?」
「今は冒険者として活動していますから。それよりもこいつらを牢屋に入れといてください」
「この者たちは?」
「こいつらは今隣にいるこの子、ティナを攫いここまできた誘拐犯です」
「なるほど……。わたしたちの方でも調べておきます。グラン様ありがとうございました」
「じゃあよろしくお願いします!」
二人は門をくぐり町に入ると冒険者ギルドに向かった。
「ルキアさん!依頼終わりました!」
「お疲れ様ですグラン様……とそちらは?」
「こっちはティナ。依頼から帰る途中に襲われてる馬車を見かけて……」
グランは一連の流れについて一通りルキアに説明した。
「なるほど…地竜ですか。そんなAランクの魔物が森の奥では無くこの周辺に……。ありがとうございますグラン様。ギルドでも注意喚起させていただきます。そしてティナ様の件承知しました。ギルドでも調べてみますね」
「「はい!よろしくお願いします!」」
「ところでグラン様は地竜には気づかれてませんよね?無事で良かったです!もし見つかっていたとなると……」
「…い、いえ見つかるって言うか普通に倒してきちゃいました……」
「「えっ……………………」」
「「た……倒したぁ!?」」
「えっ!盗賊たちが……とか盗賊と一緒に……とかでですか?」
「いや、一人で……」
「「「………………………………………………………………………………」」」
(あれっ?なんかやったかこれ?ま、まさかっ!あれか!?“Fラン風情が調子乗ってAランク倒してんじゃなーよ的なやつか?それともシンプルに規約違反とか……)
グランが冒険者についてどのような印象を持っているか定かでないが二人が驚いていたのは純粋に10歳の少年が倒せる相手ではないと言う点である。
「……ともかくグラン様が鬼のように強いのはさておき……このままのランクだといけないわね……」
「な、何か問題でもあったでしょうか……」
「本当に一人で地竜と盗賊を討伐したのならFランクのままではギルド的にも世界的にも損失です。そのため最低でもBランク程度には上げなくては……」
「えっ!?」
「なので一度確認のためギルド証をお借りしても?」
「?ギルド証で何かわかるんですか?」
「あれ?言ってませんでしたっけ?ギルド証には特殊な魔道具が入っていまして、討伐した魔物の魔力紋が残る仕組みになっているのです」
「そんな機能が……」
「というわけでお借りします」
ルキアが退室するとティナが話しかけてきた。
「グラン!冒険者ってすごいんだね!」
「そうだな。でも僕は最低ランクのFだからもっとすごい人もいると思うよ」
「そういえば冒険者って何ランクまであるの?」
「冒険者はF~Aまであってその上に規格外と称されるS,SS,SSSがあるんだ。Aとかは割といるんだけどS以上になるとほとんどいないんだ。特にSSSは伝説とされている人たちにしか与えられないから今持ってる人はいないんじゃないかな?」
「そうなんだ~。それじゃあAランクの地竜を倒しちゃうってグランはすごいんだね!」
その後もティナと話ながらルキアの戻りを待った。