食堂に向かうとメイド達とカノンのみで両親はいなかった。

「お兄様!一緒にお昼を食べましょう!」

「いいよ!父様と母様は?」

「旦那さまと奥さまはお仕事で席を外しておられます。いつ終わるかわからないから先にお昼を済ませてくれとのことです」

「ありがとう。じゃあみんなで食べようか?」

「そうしましょう!お兄様。みんなもいいですよね?」

「もちろんでございます」
 こうしてカノンやメイドたちと楽しく昼食をすませたあとまたステータスをいじっていた。

「二人と連絡を取るにはスマホでもあるといいんだけど作り方もわからないし作れたとしても渡すときがな~。となるとやっぱり魔法で何とかするしかないかな?」
 グランは早速創造魔法を使い通信魔法を作った。

「あ!!……作ったはいいけどいきなり声がしたらホラーだよな……。なにかいい方法はないものか」
 グランが作った通信魔法は言葉を届けるためだけのものなので着信音などの便利なものはついていなかった。

「やっぱり魔法で連絡とるのは無理だったのかな?」
 どうしたものかとずっと考えていたものの結局何も思いつかなかったのでステータスをもう一回開いてみることにした。

「えーっと状態確認(ステータス)

名前:グラン・レア・ベルセリア
年齢:10歳
レベル:15
~称号~
ベルセリア家長男、転生者、秀才者、神々より愛されし者、神々の意思を伝えるもの、時空を司りし者、精霊より愛されし者、武具を司りし者

~基礎ステータス~
体力(HP):200
魔力(MP):130
攻撃(STR):40
防御(VIT):55
速さ(AGI):35
器用(DEX):30
知力(INT):100
物理耐性:50
魔法耐性:60
状態異常耐性:75

~技能スキル~
創造魔法(固有ユニーク)
武具神(固有ユニーク)
時空魔法(固有ユニーク)
無属性魔法(EX)
全属性魔法(EX)
物理耐性(中級)
魔法耐性(中級)
状態異常耐性(中級)

「この時空魔法はなんだろう?」
 ステータスをダブルタップしてみると詳細がでできた。

~時空魔法~
 このスキルには現時点で6つのスキルが内包されている。
・転移:一度言った場所に一瞬で移動できる。
・転送:指定した魔力反応に物を送ることができる。
・未来予知:最大3日後までの未来を知ることができる。
・過去視:過去を知ることができる。制限はない。
・時間操作:時間を操作することができる。
時空移動(タイムスリップ):時間の旅に出掛けることができる。
 このスキルは使用者の技量によって成長していく。
 また過去を改編するとそれにともなった未来になるため気を付けることをおすすめする。

「これだ!」
 グランが注目したのは転送だった。
 指定した魔力反応に物を送ることができるため、二人に手紙を送ることができる。

「でも魔力反応ってどんなのだろう。今まで読んだ本にそんなことかいてなかったからな……。このスキルって神様のとこにも行けるのかな?」

 グランは先ほど神々と会ったあの場所をイメージして転移した。
 その結果グランが転移したのは神殿だった。

「…………あれ?どうして神殿に出たんだろう?まあまたお祈りすればいいか」

「誰かいらしてるのですか?グラン様!?」

「あ、司祭様」

「どうされたのですか?誰もお付きの人がいらっしゃらないようですが」

「それがですね……。本日神々に頂いたスキルを確認していたところ気が付いたらここにいたみたいです。これも神々の思し召しだろうと思い、御礼を言うために今から司祭様を探しに行こうと考えていました」

(まあ本当は転移が巧くいかなかっただけなんだけどね。それにスキルとかはあまり人に教えない方がいいと思うし)

「そうでしたか・・・。不思議なこともあるもんですね。では先ほどの礼拝堂に向かいましょう」

(あれ?なんかあまり信じられてなさそうだぞ?まあいいか)

 礼拝堂についたグランはライカ司祭と別れ神々の像の前で祈りの構えをとった。
 するとやはりグランの周囲は一面白に包まれ神々が現れた。

「さっきぶりじゃの。グランよ」

「さっきぶりですね。タパス様」

「今回はなんのようじゃ?まあ見ておったから大体は解っておるが」

「見ていらしたんですね。では単刀直入に言わせてもらいます。二人と連絡をとりたいのですが二人の魔力反応か居場所を教えてください」

「まあできなくはないんじゃが……。お主がやろうとしてることとそんなに変わらんぞ?」

「そうなのですか?」

「ああ。あと転移で直接これないことを気づいているとは思うが儂らと会うためには神殿に来て祈るしかないからの」

「わかりました。通話だけでも無理ですかね?」

「まあおいおい考えてみるわい。」
 ほかにもいろいろ情報を交換したあとグランは神殿に戻ってきた。

「司祭様。今日はありがとうございました」

「こちらこそ本日はお世話になりました。お屋敷までお送りいたしましょう」

「歩いて帰れますよ?」

「そういわれましても……。グラン様を馬車でお送りしないなどもってのほか。とにかくお送りします」

「わかりました。じゃあお願いしますね!」
 こうして馬車に乗せてもらい自宅に着くと妹であるカノンが頬を膨らませて待っていた。

「お兄様!どこに行っていらしたのですか?いっしょにお茶を飲もうと思ってお部屋にいったら誰もいなく屋敷中探しても見当たらなかったのでお父様とお母様と一緒に心配してたんですよ!」

「ごめんごめん。僕も気が付いたら神殿にいたからビックリしたんだ。でも何もなかったから大丈夫だよ」

「本当ですか?ならよかったです。でもこれからはいきなりいなくなるのはやめてください」

「うん。約束するよ」

「ではお二人とも夕食ができています。食堂へ行きましょう」
 マリネにそういわれ俺は妹と二人で食堂へと向かった。