「ああ、それも含めて少し、ね」

にっこり在義父さんの笑顔。……自分の性質が悪いのは、在義父さんからの遺伝だと思う。血の繋がりはないけど。

「ねえ、父さん。夏島遙音って知ってる?」

「なつしま? ああ、遙音くんなら知ってるよ。もっとも、私より龍生や流夜くんの方がよく知っているだろうけど」

「どんな、人なの?」

自分の分と在義父さんの分の味噌汁の椀を置く。そのまま席に着くと、在義父さんは考えるように宙を見つめた。

「そうだなー。メンタルの強い子ではあると思うよ。あと、人を見る目がある」

「人を見る目……?」

「……そう訊くってことは、遙音くんのご家族にあったことは知ってるのか?」

「……うん。笑満から聞いた。昔、近くに住んでたんだって。事件のことは、笑満も知ってた」

「笑満ちゃんが……? そうか、私は管轄外だったからか……」

どうやら、流夜くん同様笑満の情報はなかったみたいだ。

在義父さんが関わった事件ではないということだ。