「あらー、宮寺くんお久しぶりね」
「ご無沙汰してます。朝間先生」
「どうしたの? もうほとんど先生残ってないわよ?」
「再来週から短期の講義することになったんです。今日はその下見に」
「あ、そう言えばあったわね。そんなお話。宮司くんが先生になるのね」
「ええ。教頭に押し切られました」
「そう。よろしくね」
「こちらこそ」
「確か教頭先生はまだいたと思うから――職員室、行く?」
私も保健室の鍵を返しに行くから。夜々子先生がそう言うので、思わず苦笑してしまった。
「夜々子先生と二人きりなんて、みんなが知ったら俺殺されますね」
「まあ。口も上手になったわね」
ふふ、と夜々子先生は応えて、一緒に職員室へ向かう。
「神宮……流夜」