【タイトル】
第16話 炎魔法でイビルアイを焼き払う

【公開状態】
公開済

【作成日時】
2021-05-21 13:02:04(+09:00)

【公開日時】
2021-05-21 14:53:42(+09:00)

【更新日時】
2021-06-03 15:14:29(+09:00)

【文字数】
1,802文字

【本文(157行)】
 ミスリルゴーレムを打倒したソルは第五階層で寝泊りをしていた。火で炙ったモンスター肉を頬張り、今後の事を考えていた。

 ミスリルゴーレムを倒したという事もあり、普段よりも大量の『500』というSPを獲得したが、まだまだ予断できない状況は続く。

 階層の地下へ行けば行くほどより強力な敵が出現する事が容易に予測できたからだ。

 スキルとは限定された能力だ。限定された状況下で的確に刺さればステータス以上の結果を発揮する事もある。

 だが、反面汎用性や万能性には欠ける。使えない局面であったのならばそのスキルは無意味だ。

 そうなると汎用性のあるステータスの方を優先するべきか。

 ソルはそう考えた。これからどんな敵が出てくるかもわからないので至極真っ当な選択といえた。パーティー戦ではなく、ソロ戦を行っていく上で、あまり偏りのあるステータス割り振りにするわけにもいかない。

 ソルは『ステータス変換』のスキルを用い、SPを万遍なくステータスに割り振る。
【名 前】 ソル・ユグドラシル


 【年 齢】 15歳


 【固有スキル】 レベル0



 ※レベル0で固定される。経験値取得が意味をなさない。



 【レベル】 0



 【HP】    200



 【MP】     100



 【攻撃力】    200



 【防御力】    200



 【俊敏性】    200



 【魔力】     200



 【魔力防御力】  100



 【運気】     100


 【スキル】 

技スキル

『回し斬り』『一刀両断』

補助スキル

『ステータス変換』『鑑定』『錬成』『強化』

魔法スキル

『炎魔法(フレイム)』

 残SP0。※注ソルのHPが101でしたが、キリが悪いので100にしました。

 ソルは満遍なくSPをステータスに割り振った。その結果、SPの残はゼロになった。

 だが、これから攻略していく上でまたモンスターと遭遇する機会はある。否応なく。そこでまた稼いでいけばいい、ソルはそう考えていた。

 一度割り振ったSPやステータスは元には戻せない為、温存するという選択肢もあるかもしれないが。

 同時に出し惜しみはリスクであった。出し惜しみした結果、SPを抱えつつ死んだらどうしようもない。

 そこでソルは出し惜しみはしない事にしたのである。

「……よし」
 
 食事中にステータスの割り振りを済ませたソルは立ち上がる。

 第六階層以下の攻略へ挑む。

 ◇

 第六階層にいたのは悪魔系のモンスターであるイビルアイだ。

 イビルアイは大きな目玉型モンスターである。

HPや防御力に優れていないモンスターではあるが、俊敏性が高く、『熱視線』という、目玉からレーザーのような攻撃をしてくる、厄介な敵であった。

 しかも、厄介な事にイビルアイは群れを成すモンスターである。イビルアイは一体だけではなく、数体いたのだ。

 イビルアイは無数の『熱視線』を放つ。レーザーのような攻撃が無数に飛んでくるのである。

「うわっ!」

 ソルはその攻撃を瞬時に避けた。今まで俊敏性を上げていたおかげで、回避率がそれなりに上がっているのである。

「はああああああああああああああああああああああああああ!」

 ソルは回し斬りを放った。だが、イビルアイは俊敏性が高い為、いとも容易くその攻撃を避けてしまう。

(ダメだ……この攻撃じゃ)

 物理攻撃ではなかなかイビルアイ相手には当たらなかった。

(そうだ……)

 そして、ソルは思い出した。自分が調理用に習得した魔法スキルがある事を。

『炎魔法(フレイム)』

 今のソルは魔力の値もそれなりに高い。だから、それなりにダメージも与えられるはずだ。

 迷っている余地などなかった。イビルアイの群れは再び、あの『熱視線』による攻撃を行おうとしていたのである。

「『炎魔法(フレイム)!」」

 ソルは初めて炎魔法(フレイム)を敵モンスター相手に放った。

 紅蓮の炎がイビルアイの群れを襲う。

「「「「キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!」」」

 イビルアイの群れは形容しがたい謎の悲鳴を上げて、果てた。

 イビルアイは防御力及び魔法防御力に乏しい為、一撃で片付いたようだ。

 ソルはイビルアイ一匹につきSP100。6匹を倒したので実に『600』ものSPを獲得したのである。

「はぁ……何とかなったか」

 ソルは胸を撫で下ろした。仲間のいないソロプレイは常に緊張が伴う。自分のミスがそのまま死に直結するからだ。当初よりは希望が持てているとはいえ、依然として油断はならなかった。敵はこれからどんどん強力になっていくのが明白だったからだ。

 ソルはより一層気を引き締めた。

 第六階層を攻略したソルは第七階層の攻略に向かった。