一瞬、時間が止まったかと思った。
言葉はいつも、心の中心を探し当てる。
だから言葉がつけた傷は深く、言葉によって吹き込まれた希望はずっと胸に残る。
瀬川の言葉は、いつだって優しくて温かかった。
言伝でさえ、泣きたくなるほどに。
後ろめたくて、気を遣って、家族以外の誰にも胸を張れなかった自分を、他の誰でもない瀬川は全て肯定してくれたのだ。
誰よりも同じ想いを共有し、背中合わせで居てくれた瀬川が。
唇が震える。
喉の奥が締め付けられ、見開いた瞳に冬の陽射しが沁みた。
私は縋るように、彼の袖を強く握る。
「お願い。瀬川がどこにいるのか、知ってるなら教えて欲しい」
「でもその瀬川が」
「どうしても……!どうしても、伝えなきゃけないことがあるの。今日言わなかったら、一生後悔する」
ひとつひとつの言葉を、区切るように伝える。
彼は困ったような顔で、しばらく私の前に立っていた。
でも、お願い、と消えてしまいそうな声でもう一度頭を下げると、彼はどこか吹っ切れたような溜息を吐いて瀬川の場所を教えてくれた。
言葉はいつも、心の中心を探し当てる。
だから言葉がつけた傷は深く、言葉によって吹き込まれた希望はずっと胸に残る。
瀬川の言葉は、いつだって優しくて温かかった。
言伝でさえ、泣きたくなるほどに。
後ろめたくて、気を遣って、家族以外の誰にも胸を張れなかった自分を、他の誰でもない瀬川は全て肯定してくれたのだ。
誰よりも同じ想いを共有し、背中合わせで居てくれた瀬川が。
唇が震える。
喉の奥が締め付けられ、見開いた瞳に冬の陽射しが沁みた。
私は縋るように、彼の袖を強く握る。
「お願い。瀬川がどこにいるのか、知ってるなら教えて欲しい」
「でもその瀬川が」
「どうしても……!どうしても、伝えなきゃけないことがあるの。今日言わなかったら、一生後悔する」
ひとつひとつの言葉を、区切るように伝える。
彼は困ったような顔で、しばらく私の前に立っていた。
でも、お願い、と消えてしまいそうな声でもう一度頭を下げると、彼はどこか吹っ切れたような溜息を吐いて瀬川の場所を教えてくれた。