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「……生徒会はいいのか?」

「在兄には断ってあります」

「……部活関係に行かなくちゃならないのもいるんじゃないのか?」

「行きますよ。みんなが納得する説明してもらえたら」

「……神林妹と作樹、仕事は?」

「今日はありません」

「一応入学式なんで、入れないようにしてもらってますよ」

それぞれ一蹴された天科は、苦虫を噛み潰した顔になった。

ここは、桜宮学園の理事室の一つ。

入学式に出席するために、今日は何人かの理事がいた。

天科はその一つで仕事中だった。

初対面の面々にも説明を求められた蒼と衛は、取りあえず全員で乗り込んだ。

十三人を前にした天科は、眉根を寄せた。ただで帰る気はないとわかっただろうか。

「……次やったら傷害で訴えるが?」

「別にもう殴んねーっすよ。あんた結構丈夫みたいだし」

「次殴るときはあたしが」

「やめろ」

まだ喧嘩腰が抜けていない翠を、衛が押し止める。

「何が実験初代なのか、みんな知りたいらしくて。説明願えます?」

蒼が問うと、天科は不機嫌を深くした。

「……神林、榊原。全員に話したのか?」