「体裁気にする中学生なんてなんか嫌だけどな。それに、蒼の弟妹は全部ブラコンじゃんか」
『………』
蒼、閉口。
事実だ。
「用事はなん? 天科のこと?」
『……ああ』
「どこにいんの? 近く?」
『コンビニ行くつって来た』
「わかった。そのままうち向かってきて。こっちからも行くから。夕飯は?」
『食って来た』
「そっか。じゃーちょっと待ちながら歩いてて」
『……悪いな』
「ピザまん一個でいいよー」
『……昨日も食ってたじゃねえか』
「コンビニいんだろ? ついで。それに昨日は天科もいたから食った気しなかったし」
『……腹殴って連れ出したお前が胃液吐きそうな人間に肉まん押し付けるの見て意味わかんなかった』
「え? 嫌がらせだけど? あんまんのが良かった?」
『種類の問題じゃねえよ』
冷静なツッコミが入った。じゃーすぐ行くから、と衛は電話を切る。
蒼のケータイの番号の登録をして……階段を降りて、玄関までの途中にある一階のリビングに声をかけてから玄関へ向かう。