「もらいー」

「あっこら! 私のご飯―!」

今度はおかず争奪戦を始めてしまった。

……翠ちゃん、以外と一番下って大変なんだよね。そこが翠とは意気投合の尊。尊は神林の妹二人とは息が合うことが多かった。

「全く。尊と衛くんの苦労がしのばれるわ」

食事を再開した姉は憤然としていた。尊に髪を乾かしてもらった帝は、妹の言うことを聞いてちゃんと上着も着た。

そのままソファに横向きに座る尊の背中に寄りかかってくる。

「わたしは別に苦労はしてないよ」

尊は笑いながら姉に答える。弥は眉根に思いっきりしわを寄せた。

「どこが。帝がはっちゃけ過ぎてる所為で尊に彼氏出来なかったんじゃない」

「お、お姉ちゃん、中学生で彼氏いる方が少数派だと思うよ?」

尊が困ると、能天気な帝の声が背中から聞こえた。

「尊の彼氏が衛だったら最高なんだけど」

「なんで!?」

「そしたら将来俺は衛と義兄弟」

「………」

妹にどんな幻想押し付ける気だ。帝は大して悪びれない口調で続けた。

「姉ちゃんも、悪かったねー」

「別に謝られなくても、わたしは彼氏いますし」

「えっ、そうなの!? わたしたち聞いてないよ!?」

尊が飛び上がった。初耳だ! 弥は先ほどとは違う表情で眉根を寄せる。