尊は受かるとは思っていたけど、まさか万年最下位の帝まで合格するとは……しかも理由が、衛と一緒の学校に行きたいから。

マジかよ。衛、どんな層に人気を博しているんだ。

衛の名声が変な方向にいかないといいな……本気で憂える調だ。

伸びをしていたら考えが明後日の方に行ってしまった。仕切り直しだ。座り直してパソコンに向かう。

ケジメ、と思って、中学に入ってからは、桜学初等部時代の友人とは連絡を取っていなかった。

話してしまえば、また時間を引き戻してしまいそうで。

……なんとなく、怖かった。

蒼たちは裏切られたなんて思っていないかもしれないけど、調は裏切ったと思っている。大好きな友達を。

だから、追い出された。

あそこでやることは、出来ることはもう終わったのだと理解しておけばよかった。

桜宮学園に、もう自分の居場所はないのだと。

でも、衛や翠の名前を大会の勝者として聞くたび、紫が活躍する姿を見るたび、蒼の噂を公立の中学校で聞くたび、どうして自分はあそこにいないのだと自問した。

自分が問題を起こしたからだとわかっていながら。

いつだって憧れていたのかもしれない。輝く友達に。

だから、無理だとわかっていた受験を、志願してしまったのかもしれない。