「あたしも同じく、だ。衛を抑えられる奴、必要だろ?」
「ついでに帝に縄つけておいてくれると助かるんだけどな……」
衛が本気で吐きそうな顔で口を挟んできた。
「それは範囲外だ。尊、あたしからお願いだ。尊の持つ知識をあたしたちに貸してほしい」
「あたしでいいならいいよ、翠ちゃん。でも正直……簡単に言うと、蒼くんは何をどうしたいの? 漠然とし過ぎてない?」
尊の言葉を受けて、衛が蒼の肩を軽く叩いた。「だってさ?」何か楽しいことを企んだ子どものカオだ。
「簡単に言えば、Pクラスを護りたい。――元の意味である『Professional Class』に、再生させたい」
かつてのPクラスは不良クラスなんかではなかった。
『プロフェッショナル養成』の特別クラスだったと聞く。
それこそ、天科のいうものに近いのではないだろうか。
それがある年を境に、堕落してしまった。
天科の言うPクラス創成と、蒼の言うPクラスの再生。同じものかもしれない。
けれど、蒼と衛は天科に反発する。
在がいた場所を否定されたのが赦せない。そんな子供じみた理由で。
――いいじゃない? だってわたしたち、子どもだもの。
大人になってから子どもじみた理由振りかざすよりは、マシじゃないかな?
「わかった。蒼くんに賛同する。帝くんも、一緒にやるよ」
「衛がやるんならついてく」
「蒼についてってくれ。流――お前はほんと、調以上に関わる必要もないことだけど――」
「なんか面白そうだから仲間に入れて」
楽しそうな顔の流は乗り気だった。紫は気づかれないように舌打ちをした。くそっ。ここで流を切れなかったか。蒼は無表情でみんなに言った。
「まー何をどうするかって言やあ、ふつーの学生以上に、『学生』であればいいと思う」