「天科全はPクラスの統括だ。――統括の地位を、二年前に自分のモノにしている。二年前の――兄貴たちが入学した年もPクラスはあったんだ。けど、天科が新一年生のPクラス自体をなくした。その次の年も。そして、真っ新な場所にPクラスを作って、俺たちを実験初代と言わせるつもりらしい」
衛の説明に、蒼以外は意味が呑み込めないようで何度も瞬く。
「……なんでそんなめんどくさいことすんだ? 大体、Pクラスって――俺みたいなのが集められてた場所だろ?」
帝の言うことは、自虐的だが当たっている。
Pクラスとは、問題児を集めておくクラスだった。
進学校と言えど、問題行動を起こす生徒はいる。
退学まではいかない生徒を集めている、いわば不良のクラス。――だった。
紫も同じ疑問があるが、蒼と衛だけが知っていることがあるのだろう――
「と言うか、え? 衛ちゃん、今なんて……おれたち?」
衛は、『俺らがPクラスになる』とかなんとか言ったような……? 紫が問うと、蒼と衛は顔を見合わせた。
蒼が面倒くさそうに肯くのを見て、衛が答えた。
「天科に聞いた。俺たち――今ここにいる全員、Pクラスで決定しているんだと」
「「―――」」
ここにいる全員――?
「マジで!? 衛と同じクラス!? よっしゃああああああああああ!」
「俺もカウントされてる? 紫と同じクラスいられんの?」
「そこかよお前ら」
勝利の雄叫びをあげた帝と流に、蒼から冷めた一言。
うそだ……。ただでさえ蒼ちゃんがあんなに認めていて腹が立つ作樹くんが同じクラスだなんて……蒼ちゃんの中でもっと評価あがったらどうしよう! 悔しい! あ、衛ちゃんも似たのを感じているみたい。顔を引きつらせている。