蒼の声に険がにじむ。

帝は調から、小学校は桜学で、蒼や衛とも友人とは聞いていた。

もう、逢えないかもしれない友達だけど、と。

それは親しくなった中学二年の頃の言葉で、今はそれが覆る。

「だから、俺に頼んだんだと思う。入学式まで、待っていられないから、て」

待っていられない。でも、まだ逢いに行けない。だから、帝、頼まれてくれないか? と。

蒼と衛、揃って糸が張ったみたいに目を丸くした。

「……待て。入学式?」

「調も――桜学に復帰するのか?」

紫と翠も顔を見合わせているのがわかった。

即座に衛が帝の左肩を握って、腕を横に置くように肘を首に当てた。

衛の運動神経なら、下手に動くと喉を仕留められる格好だ。

衛に逃がす気はないとその行動が言っている。隣の蒼の瞳が鋭く光った。

「あいつがやったことは犯罪だ。一歩間違えば警察沙汰のもの。……追い出した桜学が、高等部ではまた入学を許可する?」

怒りのような火が蒼の瞳に映るのを見て、帝は息を呑んだ。

自分のしてきた喧嘩なんて、しょせん――だ。

暴力を伴わない戦場が、蒼の背中に見えた気がした。

「いや、俺も学校側の考えとかゼンゼンわかんないけど――」

「――調は、なんて?」

帝に持論の展開の余地も与えない勢いで蒼は攻める。

帝は降参するように両手を軽くあげた。

「調から……翠への伝言だ。『アマシナゼンが、モリサキススキを連れてくる。どうにかしてくれ』て。……――え?」