バラバラと雅に質問が浴びせられて、それが収まっていくうちに今度はぽつぽつと視線が一人に向けられた。

……何人かはその好意に気づいていたのだ。

ダン――ッと、大きく机を打って衛が立ち上がった。

「衛? なに」

雅は驚いて衛を見る。

「ダメだ」

「なにが?」

「……結婚なんて、だめだ」

「なんで衛にそんな反対されなきゃなの」

雅にもっともなことを言われて、衛は言葉に詰まった。

衛の気持ちを知っている何人かは同じことを思った。

《行け! 俺が雅を好きだから駄目だって! 言って来い!》

「お、俺が――

「なに、はっきり言ってよ」

衛は拳を握った。

「――俺が剣さんに惚れてるから駄目だ!」

「………」

『……………』