「はーい、今日も問題起こさんであんがとね」
「浬、教師が言うにはおかしい」
蒼からツッコミが入った。
華村教師は接しやすい性格と雰囲気から、他クラスの生徒からも『浬』呼びされていた。
本人もそれに気軽に応えている。
「だって、Pクラスはとにかく問題起こさないようにするのが一番ですって言われたんよ」
「それ、ここに限った話じゃないと思うけどな」
衛が言うと、何人かに笑われた。
「あとは大丈夫かね? みんな部活とか行って――
「あ、私から少しお話が」
雅が挙手に続けて立ち上がった。
「祀木? どうした?」
「紫には言ったんだけど、私、十八になったら結婚することになった」
『………ええ!?』
そこここから素っ頓狂な声があがった。
紫だけがにこやかに見てくる。