「恋がヤバそうだってこと?」
【その、あと】
続きを書こうとして、しかし白のペンは止まってしまった。んー?
「あと、学内で嫌がらせとかされたときでも、俺に言えよ? ちゃんと護るから」
今度は即、白の顔が真っ赤になった。蒼は意味がわからずまた、「白?」と呼ぶ。
【なんでもない! ごはんたべよ!】
急いで書いたせいか、全部ひらがなだった。
そのまま、キッチンまで走って行ってしまった。
「……元気だなあ」
白は、他人に対して退いた表情を見せない。
いつも真っ直ぐ、明るく、声がないことに負い目を感じているようには見せない。
そういうところ、すごくいいと蒼は思う。
なんの偶然か。
せっかく生きているんだ。楽しんで生きた方がいいじゃないか。