【蒼くんのご飯だいすき】
「ありがと。おだて上手だな」
【本当だよ!】
少し怒った顔で言われて、蒼は苦笑した。
「白、恋にヘンな空気感じたら、早めに俺に言えよ?」
蒼の唐突な言葉の意味がわからなかったのか、白は目をぱちぱちさせている。
「……恋があんな残念な変態だとは思わなかった。天科との仲がこじれて、本気で女好きになったら白が危ないだろ。だから、恋に狙われそうな雰囲気とかあったら、ちゃんと言って。白は俺が護るから」
白は黙り込んでしまった。瞬きもしない。
「白? どうした? ……まさか、もう危険なのか?」
蒼のぶっ飛んだ質問に、白は一気に顔を赤らめた。そしてぶんぶん首を横に振る。
【そんなことないよ! 大丈夫だよ!】
「いや、常識が通じねえのがあの三人――天霧猫だってわかった」
白は緊張したように手帳を握っている。どうしたんだ?
【今の、ほんとうなの?】
唐突に、白はそんなことを書いて来た。蒼は首を傾げる。