「そ、そうね。ぶっ飛ばしたいわ」
「和って話すと結構楽しいヤツだな」
「本当!? そんなこと言われたの初めてだわ。嬉しい。もっと楽しいヤツになりたいわ!」
「お、おう。和、言葉が裏表混ざりまくってんぞ?」
「大丈夫よ! 正式な場所では猫被ってるから」
「猫被ってるのか」
翠のオウム返しに、和は大きく肯く。
「ええ。あたしの得意技よ。猫被るのと作り笑顔」
「今は?」
「え?」
「今は、作り笑顔なのか?」
翠に真正面から問われて、和は言葉に詰まった。
今……は、
「ほ……ほ、本性よ!」
「本性なのか」
翠は楽しそうにバシッと和の背中を叩いた。
和はびっくりして前につんのめって翠を見てきた。
「いいと思うぜ。本性の和」