「本当っ? でも、翠さんまで巻き込むのは……あたしの問題なんだし」
「友達の問題はあたしの問題だ。だいじょーぶ。あたしらには蒼も衛もいる。――あいつらは、負けないんだ」
「か、神林くんや榊原くんまで巻き込むの? さすがにそれは……申し訳ないわ」
「和」
すっと、翠は和の額に人差し指をあてた。
和は驚いて言葉を呑んだ。
「そういう遠慮、あたしらは淋しいぜ。せっかく同じクラスになったんだ。みんなでお互い巻き込んで巻き込まれて、楽しく過ごさねえか?」
それから、と続ける。
「言ったろ? 神林多いし、名前で呼んでくれって。うん、そうだな。和はそこからクラスに入って行こうぜ? 友達は名前で呼んでみよう週間!」
「え……あたし、そういうの……」
「お嬢学校だったから苦手?」
「え、ええ……」
「まあ、和がそれでいいんならいんだけどよ? あたしは名前呼びのがすき」
「そ、そういうもの、なの……?」
「和のすきなようでいいと思うよ。んじゃ、明日っから企てようぜ。天科サンぶっ飛ばす方法」
ニカっと笑う翠。
和も当初の目的を思い出した。