「よかったねー、レン。仕事場でいちゃつけるよー」
「いちゃ……!? そんなことしないよ! ゼンの立場が危なくなることするわけないじゃん!」
剣の野次に恋の頭は覚醒する。
「アホか。元老院気取ったジジイどもはとっくに掃き出してるから、俺より権力ある奴いねえよ」
「そっち!? ゼンはいちゃつく気なの!?」
「レン次第」
「私!? 私は――秘書課の女性とか口説いていいかな? それはやりたいかも」
「…………………ケン」
「あははー」
「男装ですまねえとこまでいっちまってんじゃねえか!」
「ごめんねー。でもそんなの、ゼンがなおしてあげたらいいじゃん?」
「どうなおせって言うんだボケ!」
「え? ゼン、私変なこと言った? 私がなおすよ」
「………」
頭を抱えた全と、くすくす笑っている剣。全と剣のやり取りがわからない恋。
……いつかの三人が、そこにいた。