「兄貴? 全員ってなに。な、なんか危ない集団と関わりあんの?」
硬直の解けた衛の声は、まだ震えている。
「まさか。二年前の、Pクラスになるはずだった奴らのことだよ。みんな天科全がキライだからねえ」
楽しみをなくされて。
『………』
凶悪なのだろうか。二年前の、在たちの代でPクラスになるはずだった先輩たちというのは。
微かな恐怖がPクラスに芽生えた。
そのとき、明るい声が響いた。
「在―! 来ちゃった」
「弥」
がばりと在の腕に抱き付いたのは、双子の姉の弥だった。
急な登場に驚いて、弟妹たちは在から手を放した。
「え、姉ちゃん?」
突然の姉の登場に帝が困った声を出すと、弥は「うん?」と楽しそうな顔を見せた。
「あ、衛。紹介してなかったけど、草賀弥。弥は俺の彼女です」
「はじめまして、衛くん。帝が迷惑かけてばっかりなのに挨拶してなくてごめんなさい」
ニコニコいちゃいちゃしている二人。
『………』
そうですか、仲良さそうで何よりです。
と三兄妹をはじめ大方は思ったのだが――
「ぎゃあああああああああああああああああ!」
「よっしゃあああああああああああああああ!」
同時に衛と帝が絶叫した。衛は頭を抱えて顔面蒼白になっている。
え? 絶叫の意味のわからないクラスメイトたち。