「二年前、俺らの代でPクラス作らなかったこと、後悔してます?」

「……まさか。榊原の代は廃しておいてよかったと当時の自分に感謝するくらいだ」

「まあねえ。おかげ俺たちは弟たちほどカゲキなことしなくてよかったわけですしねえ」

「……榊原。何の為に来た?」

「忠告の為に?」

「………」

「弟たちにとって害悪なすことやったら、全員でアナタ方を終わらせに行きます。お忘れなく?」

「……それは総意か?」

「ええ」

「………善処しよう」

「おわかりいただけて何よりです」

在はやっと足を離して、蒼い顔をする弟妹たちの頭をそれぞれ軽く叩いた。

「あ、在兄? 喧嘩、苦手なんじゃなかったの?」

翠が怖々と訊く。在はさっきと変わらない笑顔を見せる。

「そうだねえ、正直喧嘩とか格闘は苦手だけど、威嚇は得意」

『………』

もしかしてこの人、威嚇だけで総ての争いを終わらせてきたんじゃ……? だから喧嘩という段階まではいかなかったんじゃ……。

Pクラスの中に憶測が生まれた。