次いで、十三人は天科の背中を見る。顔が見えなくても、ダラダラ汗をかいているのがわかった。
にやりにやり。十三人の思惑は一致した。Pクラスの良心、流まで乗っていたから誰にも止められない。
「恋。桜学の天科理事だよ」
蒼がわざとらーしく紹介する。
「恋さん、知らないっしょ?」
衛が続けた。
にやにやにやり。
ダラダラダラ。
「ゼン……?」
蒼や衛の声が聞こえていないように、恋はぽつりと呟く。
「………」
天科は黙って背を向けたままだ。
「ぜ……ゼンー!!」
「ぐはっ!」
いきなり恋が天科にタックルを喰らわせた。おお、積年の恨みか。
「ゼン~」
「………」
タックルの次は、天科に抱き付いて背中に頬を摺り寄せている。
……恋が崩壊している。いつもクールを通している、女性たらしの恋が。……行動が軽く変態入っている。
「レン、Pクラスのみんなが困ってるよ。色々と」