『………』
「だが、そういう見つけていない所為で落ちて行く――人間から外れかねないことをする奴らも見て来たんでな。それはどうにかしたかった、というのはある」
「ゼンはお節介やきだからねー。自分も危ない目に遭うのに俺のこと助けに来ちゃうしー」
「助けられた側のお前が言うかよ」
「あははー。ありがとー」
「……言って置くが、お前らのが希少例だからな? ケンはその危ない側の代表例だ」
ふう、と少し長めに息を吐く天科。
……剣のような人たちを、助けたかった? 蒼にはそう聞こえる。
「……それが、どうしてあんたの目論見に繋がるんですか?」
「目論見?」
剣が瞬く。天科は渇いた眼差しだ。
「あれか? 一能云々ってやつか? 適当なこと言っただけだが」
『………』
「は?」
唯一衛だけが、口を動かせた。
「なんか知らんが神林と榊原がうるさく訊いてくるから、中学生が面白がりそうな話でっちあげただけだ」
『………』
「じゃあ、なんでPクラス復活させたんすか? 二年前――兄貴の代は、もうPクラスの生徒も決定してたのに、入学直前に解体された。勘ぐるのは当然でしょう?」