『あんたは何がしたいんですか?』
九十九枚目――一枚目から九十八枚をぶっ飛ばして一気にめくった天科は、その問いを目にした。九十九枚目の最初の一行。
……やっぱり自分の手口なんてダダ漏れか……蒼は少し悔しい思いだ。
「これに答えればいいのか?」
「はい。でもその前に」
蒼が言葉を区切ると、衛、翠、帝が天科の周りを囲んだ。
「……なんだ?」
「少し、場所変えましょう。ここでは全部あなたの思い通りだ」
帝が「すんませんねー、理事さん」と言うと、天科は三人を見回した。
「……」
「あたしは蒼に頼まれたら軽く法に触れることも厭(いと)わないっすよ」
「厭え。なんだその直球は」
「翠の蒼大すきははじまりからですから治りませんよー」
衛が茶化すと天科に睨まれた。それから、かなり長くため息をついた。
「構わん。今日は時間ならある」