それが総(すべ)てのはじまりで。





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「おい――衛(まもる)!」

突然の友人の暴挙に慌てて叫んだ蒼(あおい)に、衛はぶすくれた顔で見返して来た。

「なに」

「いきなり殴る奴あるか! まだ話してる途中で――って、天科(あましな)さん!? おい、意識飛ばしてるんじゃ……」

「ああ、点穴(てんけつ)を衝いた」

「何の達人だお前! くそっ、ここに放っておいても見つかるの時間の問題になっちまうじゃねえかっ」

「うーん、そうだなあ。取りあえず連れてくか」

「どこにだ!?」

「腹減ったからコンビニでも行こーぜ」

「お前の空腹具合と目の前のこいつ関係させるな!」

「でもこいつに呼ばれた所為でおやつ食えなかったんだし」

「中三にもなっておやつとか言うな! 明日卒業式だぞ!?」

「あ、蒼は答辞? やるんだっけ? 大変だなあ」

「……それはお前の所為でもあんだよ。あー、いいや。どうせもう話になんねえから、お前帰っていいよ。後は俺がどうにかしとくから」

「え、でもぶっ飛ばしたの俺だし」

「今日のに巻き込んだのは俺の方だ。悪かった」

「蒼は悪くねえけど……じゃ、ちょっと頼むわ。なんか食いモン買ってくる」

「……マジで腹減ってんだな、お前」