平民ごときの天才魔術師 〜ど田舎出身の最強魔術師、大賢者へと至る〜

俺の魔法により大爆発が起こり、轟々と煙が立ち上っている。

「へぇ………」

なんとミズハは今の攻撃を喰らっても失格にならないらしい。

「まだやる気?」

俺はミズハにそう尋ねる。

「ま、まだ……負けていない!!」
「だが、お前じゃ俺に勝てない」
「確かにそうかもしれないけど、私は途中で勝負を逃げ出すことはしない!」

マジかよ。
どんだけ負けず嫌いだよ。
俺が強いのに逃げないか……。
実に馬鹿だ。
こいつは魔物や魔人なんかと遭遇した時、早死にするだろう。
俺は勝てないと判断したら逃げる。
プライドは時に自信を破滅に導く足枷となるのだ。
だけど、そう言う考えはキライじゃない。

「私は……負けない!!」

ミズハは俺の模倣した魔力による飛ぶ斬撃を放ってきた。

しかし、その威力は弱く素手で弾けるほど威力は無い。

先ほどの攻撃のダメージが残っているのだろう。
足取りは弱々しく、気力だけで戦っている。

「一ついいか?なぜ逃げない?」

俺はそんな質問をミズハに問いかけていた。

「私は、逃げるのが大嫌いなの」
「そうかなら俺に勝つのは諦めろ」

そう言って俺は魔力の制限を少し解除する。

「な………に?このデタラメな魔力量」

ミズハは動きを止めて驚愕している。

「お前に一つ教えといてやる」
「え?」
「今のままじゃ俺の足元にも及ばない」

そう言って一瞬でミズハの背後に周り首を落とす。
水葉は反応すらできなかった。
これが差だ。
俺の師匠はまず俺に言った。

敵の目を欺け、と。

俺は、修行を始めた瞬間から敵に見せる魔力を制限した。
魔術師の勝負は油断が致命的な命取りとなる。
俺は自身の魔力を一般人レベルに制限することで、あくまで一般人と敵に誤認識をさせる。
それに油断した敵を不意打ちで倒す。
非常に狡猾で卑怯な事だ。
だが、それが見破れない以上は大賢者なんてなれはしないだろう。

光に変わったミズハを見て俺は再び魔力を制限して森の奥へと歩いていく。