シュルクと蒼髪の女との戦いから数十分経った。
俺は順調にポイントを重ねていき、残り50人になるまで生き残っていた。
いよいよ、この戦闘試験も大詰めだ。
撃破ポイントのラストスパートと行くか。
丁度いい獲物がいる。
俺の探知魔法に入った3人を俺は感じ取った。
探知魔法とは結界魔法の応用で、領域内に入った敵を完治できる。
試験が始まってすぐ、不意打ちを交わすことができたのもこの探知魔法があったからだ。
まぁ、、この術を回避できる人間は流石にこの試験にはいないだろう。
話を戻してその3人はチームを組んでいるようだ。
生き残った時間もこの試験では評価されるため、こうして協力関係を築くのも悪い考えではないだろう。
俺からしたらカモだが。
「周りを警戒しておけ」
「大丈夫、アタシの探知魔法は完璧よ」
「お、おで、腹減った!」
「お前は黙ってろたわけ!!」
「アンタもうっさいわよ!!なんでこんな奴らと協力したのかしら?」
なんだか賑やかだ。
こっちの緊張感も無くなるからやめて欲しい。
こっちに気づいてないし、狙撃するか。
パシュっ!
「腹へっ………………」
バタン。
「どうしって!!なんだ!?狙撃なのっ…………」
「な!なんなの!?」
最後は木を飛び降り、剣で女の首を切り取る。
敵の3人組は一瞬で光となり、控え場に戻って行った。
敵は探知術を使用していた。
もちろん敵の探知術を掻い潜る方法はある。
魔力を消すか、探知されても対処不可能な技で攻撃すればいいだけだ。
まぁ、コイツらが使っていた探知魔法はまだまだ甘いが。
しかし、この油断が俺の命取りになりかけた。
信じられないことが起きた。
ソイツは俺の探知魔法を掻い潜り、俺の喉を変った形の短剣で切り裂こうとした。
俺は地面に転がりながら危機一髪避けた。
俺が避けたことにソイツは目を開けておどろいていた。
黒髪の長髪をポニーテールにしており、格好は東方地方の変った戦闘服、忍び装束だった。
赤い瞳は切り裂くように俺を射抜く。
やべぇのがいたな。
「…………想定外ね」
「ん?想定外」
「えぇ」
女は自身の短剣を見ながら言う。
「私の小太刀は貴方の喉を切り裂いたはずなのに避けられた………想定外ね」
「俺も、俺の探知魔法を越えてくる奴がいるなんて想定外だよ」
流石に度肝を抜かれた。
俺が尻もち着く相手なんてお前が最初で最後だ。
「どうやって探知魔法を掻い潜った?」
「…………敵に教えると思うかしら?」
「間違い無いな」
「貴方、名前は??」
「急にどうした?」
「貴方とは新学期に会えそうだから、名前を聞いておく」
「なるほどな。俺はヒュースだ。」
「そう。私はミズハ」
目の前のミズハは、変った小太刀という短刀を構えて静かに戦闘体制をとっている。
「逃してはくれないかな?」
ダメ元で聞いてみる。
「こちらもポイントのためです…観念してください」
ダメだった。
しょうがない、少しくらいは相手をしてやるか。
「相手してやるよ」
俺は魔力で剣を作り出した。
ヒュンッ!!
俺が戦闘体制を整えると、一瞬で俺の懐へとミズハは潜り込んできた。
速いな……。
身体強化魔法なしでこの速さ、なんてデタラメだ。
「危なっ!」
俺は横に飛び退き、剣を振って空気を切り裂く。
次の瞬間、魔力波が斬撃となりミズハめがけて飛んでいく。
ミズハはその斬撃を綺麗に受け流して、無傷で潜り抜ける。
しかし、俺が斬撃を放ったのは隙を作る為だ。
受け流した隙を狙って俺は上空へと飛び上がり、手をミズハに向ける。
「加速火炎波!!」
本命の攻撃はこっちである。
この攻撃は、2発の炎の壁のような巨大な波が発動される。
1発目は敵が纏っている結界の破壊。
2発目は1発目で結界を破壊した生身の人間に炎魔法を当てて、ダメージを与える為の攻撃。
1発目と2発目の間隔は瞬きする間だ。
そしてその魔法に追加構文として[加速]を付けて高速化している。
まず初見で避けるはかなり困難な魔法だ。
「くっ………結界……2発目!??」
結界が破壊されて間髪なく飛んでくる。
ミズハはかなり苦悶の表情を浮かべていた。
バゴォォォン!!!!
空気燃焼させて燃え上がる炎が周辺の木々を肺にする。
これじゃ、俺が悪者みたいだな。
でも、師匠の言った通りだった。
骨のある連中はいたよ師匠。
学校生活楽しめそうだ。
ミズハの方は危機一髪、どうにか回避できたようだ。
だが、俺の魔法によって地面が深く抉れて黒くなっていた。
どこに行った?
魔力を消しているのか。
相変わらず気配を消すのがうまいな。
まぁ、倒すだけなら簡単だ。
しかし、それは実力差を見せつけるだけの勝利で美しくない。
あまり早く倒してもつまらないだけだ。
こう言った模擬戦は相手の実力の120%を出させる方が楽しいのだ。
俺と師匠がそうであったように。
その上で勝利するのが美しいのだ。
ヒュンッ!!
ミズハは煙の中から一直線に切り込んできた。
煙の中で俺を虎視眈々と狙っていたようだ。
俺はそれを受け流して投げ飛ばす。
それに対してミズハは受け身をとって体制を整える。
多分、もう気づいているはずだ。
俺との圧倒的な力の差を。
しかし、それでもミズハの目つきは勝利以外見据えていないように見える。
どうやら、まだ俺に勝つ気でいるらしい。
実力差を認めないでがむしゃらに挑んでくる、そういうのはキライじゃない。
やれやれ、満足行くまで相手をしてやるか。
「影化!!!」
そう唱えると次の瞬間、ミズハの姿は描き消えた。
消えた……か。
だけど、いる。
なるほどな。
影か。
攻撃に集中しすぎで魔力コントロールが疎かになっているようだ。
「これでっ!!なっ!!???いない?」
「策は悪くないぞ。魔力コントロールを忘れるな」
俺は躱しながら空中に飛び上がり、魔法を発動させる。
この魔法は俺の魔物なんかと戦う時に愛用していた魔法だ。
階級は上級魔法だ。
「火炎銃砲」
この攻撃は多分師匠でも避けられない。
つまりはチェックメイトってことさ。
なかなか善戦したな。
これで終わりだ。
光線のような熱線は音速を超えてミズハの頭を撃ち抜いた。
俺は順調にポイントを重ねていき、残り50人になるまで生き残っていた。
いよいよ、この戦闘試験も大詰めだ。
撃破ポイントのラストスパートと行くか。
丁度いい獲物がいる。
俺の探知魔法に入った3人を俺は感じ取った。
探知魔法とは結界魔法の応用で、領域内に入った敵を完治できる。
試験が始まってすぐ、不意打ちを交わすことができたのもこの探知魔法があったからだ。
まぁ、、この術を回避できる人間は流石にこの試験にはいないだろう。
話を戻してその3人はチームを組んでいるようだ。
生き残った時間もこの試験では評価されるため、こうして協力関係を築くのも悪い考えではないだろう。
俺からしたらカモだが。
「周りを警戒しておけ」
「大丈夫、アタシの探知魔法は完璧よ」
「お、おで、腹減った!」
「お前は黙ってろたわけ!!」
「アンタもうっさいわよ!!なんでこんな奴らと協力したのかしら?」
なんだか賑やかだ。
こっちの緊張感も無くなるからやめて欲しい。
こっちに気づいてないし、狙撃するか。
パシュっ!
「腹へっ………………」
バタン。
「どうしって!!なんだ!?狙撃なのっ…………」
「な!なんなの!?」
最後は木を飛び降り、剣で女の首を切り取る。
敵の3人組は一瞬で光となり、控え場に戻って行った。
敵は探知術を使用していた。
もちろん敵の探知術を掻い潜る方法はある。
魔力を消すか、探知されても対処不可能な技で攻撃すればいいだけだ。
まぁ、コイツらが使っていた探知魔法はまだまだ甘いが。
しかし、この油断が俺の命取りになりかけた。
信じられないことが起きた。
ソイツは俺の探知魔法を掻い潜り、俺の喉を変った形の短剣で切り裂こうとした。
俺は地面に転がりながら危機一髪避けた。
俺が避けたことにソイツは目を開けておどろいていた。
黒髪の長髪をポニーテールにしており、格好は東方地方の変った戦闘服、忍び装束だった。
赤い瞳は切り裂くように俺を射抜く。
やべぇのがいたな。
「…………想定外ね」
「ん?想定外」
「えぇ」
女は自身の短剣を見ながら言う。
「私の小太刀は貴方の喉を切り裂いたはずなのに避けられた………想定外ね」
「俺も、俺の探知魔法を越えてくる奴がいるなんて想定外だよ」
流石に度肝を抜かれた。
俺が尻もち着く相手なんてお前が最初で最後だ。
「どうやって探知魔法を掻い潜った?」
「…………敵に教えると思うかしら?」
「間違い無いな」
「貴方、名前は??」
「急にどうした?」
「貴方とは新学期に会えそうだから、名前を聞いておく」
「なるほどな。俺はヒュースだ。」
「そう。私はミズハ」
目の前のミズハは、変った小太刀という短刀を構えて静かに戦闘体制をとっている。
「逃してはくれないかな?」
ダメ元で聞いてみる。
「こちらもポイントのためです…観念してください」
ダメだった。
しょうがない、少しくらいは相手をしてやるか。
「相手してやるよ」
俺は魔力で剣を作り出した。
ヒュンッ!!
俺が戦闘体制を整えると、一瞬で俺の懐へとミズハは潜り込んできた。
速いな……。
身体強化魔法なしでこの速さ、なんてデタラメだ。
「危なっ!」
俺は横に飛び退き、剣を振って空気を切り裂く。
次の瞬間、魔力波が斬撃となりミズハめがけて飛んでいく。
ミズハはその斬撃を綺麗に受け流して、無傷で潜り抜ける。
しかし、俺が斬撃を放ったのは隙を作る為だ。
受け流した隙を狙って俺は上空へと飛び上がり、手をミズハに向ける。
「加速火炎波!!」
本命の攻撃はこっちである。
この攻撃は、2発の炎の壁のような巨大な波が発動される。
1発目は敵が纏っている結界の破壊。
2発目は1発目で結界を破壊した生身の人間に炎魔法を当てて、ダメージを与える為の攻撃。
1発目と2発目の間隔は瞬きする間だ。
そしてその魔法に追加構文として[加速]を付けて高速化している。
まず初見で避けるはかなり困難な魔法だ。
「くっ………結界……2発目!??」
結界が破壊されて間髪なく飛んでくる。
ミズハはかなり苦悶の表情を浮かべていた。
バゴォォォン!!!!
空気燃焼させて燃え上がる炎が周辺の木々を肺にする。
これじゃ、俺が悪者みたいだな。
でも、師匠の言った通りだった。
骨のある連中はいたよ師匠。
学校生活楽しめそうだ。
ミズハの方は危機一髪、どうにか回避できたようだ。
だが、俺の魔法によって地面が深く抉れて黒くなっていた。
どこに行った?
魔力を消しているのか。
相変わらず気配を消すのがうまいな。
まぁ、倒すだけなら簡単だ。
しかし、それは実力差を見せつけるだけの勝利で美しくない。
あまり早く倒してもつまらないだけだ。
こう言った模擬戦は相手の実力の120%を出させる方が楽しいのだ。
俺と師匠がそうであったように。
その上で勝利するのが美しいのだ。
ヒュンッ!!
ミズハは煙の中から一直線に切り込んできた。
煙の中で俺を虎視眈々と狙っていたようだ。
俺はそれを受け流して投げ飛ばす。
それに対してミズハは受け身をとって体制を整える。
多分、もう気づいているはずだ。
俺との圧倒的な力の差を。
しかし、それでもミズハの目つきは勝利以外見据えていないように見える。
どうやら、まだ俺に勝つ気でいるらしい。
実力差を認めないでがむしゃらに挑んでくる、そういうのはキライじゃない。
やれやれ、満足行くまで相手をしてやるか。
「影化!!!」
そう唱えると次の瞬間、ミズハの姿は描き消えた。
消えた……か。
だけど、いる。
なるほどな。
影か。
攻撃に集中しすぎで魔力コントロールが疎かになっているようだ。
「これでっ!!なっ!!???いない?」
「策は悪くないぞ。魔力コントロールを忘れるな」
俺は躱しながら空中に飛び上がり、魔法を発動させる。
この魔法は俺の魔物なんかと戦う時に愛用していた魔法だ。
階級は上級魔法だ。
「火炎銃砲」
この攻撃は多分師匠でも避けられない。
つまりはチェックメイトってことさ。
なかなか善戦したな。
これで終わりだ。
光線のような熱線は音速を超えてミズハの頭を撃ち抜いた。